【MV感想】ピーナッツくん「PetbottleRocket」小さな箱の中で大きなロケットを作るんだボクら

【MV感想】ピーナッツくん「PetbottleRocket」小さな箱の中で大きなロケットを作るんだボクら


VTuberピーナッツくんのライブ「Walk Through the Stars Tour」でお披露目となった「PetbottleRocket」のMVがお披露目となった。ライブで観た時は、夏を感じられる暑さと爽快さが激る映像に、旋律に魅了された。今回、じっくり観賞してみたので感想を書いていくとする。

VTuberにとって部屋はオープンワールド。果てしなく自由が広がっている。それを物語った「PetbottleRocket」は夢で見る幼少期の記憶を巧みに交差させて、狭い空間=閉塞感の方程式を覆すことに成功している。翳りひとつ感じない晴天の大地を車が走る。そこには5歳児ピーナッツくんがシートベルトに縛りつけられている姿が映し出される。子どもにとって、車は自由のない空間だ。大人が目指す方向に抵抗することなく従うしかない。窓を見つめると、そこには自然や運動が流れている。彼はペットボトルを飛ばそうとする人を見つける。凝視していると、ペットボトルロケットの噴射と共に、車は大破、洪水に巻き込まれてしまう。全くもってあり得ない挙動に巻き込まれてしまうのだ。そして夢から覚める。

そこは自分の部屋だ。編集作業が待っている。勝手気ままに言いたいことを言う大衆の声、遅々として捗らないBAD DAY、それらに悩まされることもあるけれど、360度目まぐるしく回転しながら相方ぽんぽこさんと一緒に世界を作り上げる。それは幼少期に見た、あるいは夢で見たペットボトルロケットを飛ばすようなものだ。傍観者であった自分だが、当事者として大きな大きなロケットを作る。足元歪んで消えていく「リアル」。それは現実だ。オープンワールドを彷徨って生み出される感動を追い求めるんだ。

部屋は狭く、どこにも行けないかもしれない。しかしながらヴァーチャルの中ではどこへでも行ける。だから狭い空間=閉塞ではないんだという強い意志が溢れる作品であった。

楽曲に関して言及すると、壮大、解放感溢れる旋律にペットボトルロケットが弾け飛ぶビートを刻み込む演出が好きで聴き込むごとに魅力が増す作品となっています。「あのときのペットボトルのよう」と始まる個所では、段々とペットボトルロケットが弾け飛ぶ本数が増えていって、そこに高揚感溢れる旋律を流し込み、洪水のように興奮が押し寄せてくる部分が凄まじく、ライブで聴くとバイブスが頂点に達する楽曲でもあります。

素晴らしかった。

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