【アマプラ】『ゴルゴ13』全編イランロケ!戦場の舞台は世界遺産!

ゴルゴ13(1973)

監督:佐藤純彌
出演:高倉健、プリ・バナイ、モセネ・ソーラビイetc

評価:75点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

これほどまでに無茶苦茶な漫画の実写化はないだろう。さいとう・たかをの人気コミックを監督・佐藤純弥、主演・ 高倉健で映画化した作品だが、まさかの全編イランロケを敢行した異色作。役者も高倉健以外、現地の俳優を起用し、吹き替えを施すことで、ゴルゴ13の世界観を作り出しているのだ。

そんな狂気の作品がAmazon Prime Videoでレンタル配信されていたので観てみた。

『ゴルゴ13』あらすじ

ある国際都市の高級ホテルに、某国秘密警察の幹部数人が集まった。彼らの議題は、犯罪王ボア殺害についての善後策だった。ボアは表向きは海運業者だったが、その正体は世界中に麻薬と武器を密輸している犯罪シンジケートのボスで、しかも彼の素顔は誰も知らなかった。そのボアが人身売買に手をのぱし、イランの女性へと毒牙をのばし始めたのだった。

映画.comより引用

全編イランロケ!戦場の舞台は世界遺産!

本作は、漫画の構図を徹底的に意識したカメラワークが特徴的だ。役者も、全員が綺麗に画に収まるよう構成する。車を停車させ、門をくぐり遺跡に入る場面も、車が門の奥の光の領域に収まるように配置する。人質が死ぬ様子を真横から撮り、カメラが引くと岩影に隠れたゴルゴ13がいる。彼が走ると遠くに、並走する人がいるなど、ダイナミックな構図が魅力的となっている。話自体は退屈だが、一発一発力を込めた銃弾の重さと、洗練された構図は、セルジオ・レオーネの映画を観ているような豊穣な時間のアクションを楽しむことができる。

そして、本作は世界遺産になる前のイマーム・モスクの上でパルクールしながら戦ったり、ペルセポリスの遺跡に紛れて銃撃戦を行ったりと今ならゲームの中か、007規模の映画でしか観られない光景を拝めるところが熱い。特にペルセポリスは、今やガラスで覆われたり、観光地として整備されていたりして、剥き出しの遺跡としてのロマンが失われているので、本作での素材の味を活かしたロケーションは貴重である。『拳銃は俺のパスポート』時代の、銃撃戦を如何にカッコよく撮るかにこだわっていた時代だけあって、イランの街並みを単に観光として収めるのではなく、その土地でしか撮れない画として活かしていくところにスマートさを感じるのだ。

中でも、ゴルゴ13が遺跡に入っていく。水を掬うと、銃弾が掠める。標的が降参したと思うと、義足から銃が飛び出し、早撃ちが勃発する流れの空間、人、銃弾の三角関係が織りなす魅力は格別な映像体験と言えよう。

間違いなく、今の日本映画には作れない。後にも先にもない唯一無二のアクション映画と言える。
※IMDbより画像引用