【 #サンクスシアター 9 】『恋のクレイジーロード』他短編2本。白石監督にもっと漫画原作ものを!

恋のクレイジーロード(2018)

監督:白石晃士
出演:田中俊介、宇野祥平、芦那すみれ、細川佳央etc

評価:80点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

Mini Theater AIDのリターンであるサンクスシアターで3本程短編映画を観てみましたので感想を書いていきます。

『恋のクレイジーロード』あらすじ

「不能犯」「貞子vs伽椰子」の白石晃士監督による短編バイオレンスラブコメディ。静かな田舎道を走るバスに、女装をしてシャベルを抱えた男が乗り込み、1人の乗客の頭をシャベルで叩き潰すと、赤信号でも走り続けるよう運転手を脅迫する。女装男の目的は乗客としてバスに乗っていたチューヤとスミレのカップルで、チューヤに一目ぼれしたと言う女装男が強引にチューヤと結ばれようとする中、バスはひたすら疾走を続ける。チューヤ役を名古屋発の男性エンタテインメント集団「BOYS AND MEN」の田中俊介、スミレ役を「ジムノペディに乱れる」の芦那すみれ、女装男役を宇野祥平がそれぞれ演じる。

※映画.comより引用

白石監督にもっと漫画原作ものを!

低予算ホラーの鬼才・白石監督。一応『貞子vs伽椰子』といった大スターイロモノや『不能犯』、『地獄少女』といった漫画ものを手がけているがイマイチ評判は良くない。ただ、それでも彼の才能は信じたいと思わずにはいられない。『アイアムアヒーロー』の続編を撮るなら是非彼にやってほしいと思った作品であった。

バスに訳ありな男女が乗っている。そこにチンピラが絡んでくる。すると、男が壮絶な失神をしてしまう。それでもチンピラは動じずに煽りを入れてくる。そこに2020年のMVP宇野祥平が女装姿スコップを携え乗り込んでくる。明らかにどうかしている状況だ。このワンシチュエーションの修羅場で、白石監督は観客の望む形の惨劇を描いてみせ、そして観客の斜めをいく着地を見せつけていく。銃弾一発で複数のターゲットを殲滅する快感をスタイリッシュに描いており、彼ならば『アイアムアヒーロー』や『進撃の巨人』といった人が沢山亡くなる映画をカッコよく撮れる人なのではと思った。映画芸術のベストで『恋するけだもの』がベストテンに入ったことだし、再評価が進むのではないでしょうか?白石監督素人な私ももはや無視できない監督である。

おまけ:他2本短評

『映画の妖精 フィルとムー』

斎藤工が脚本を務めたストップモーションアニメ。リュミエールの列車の到着に始まりあらゆる映画ネタを8分間に詰め込んだヤサイニンニクマシマシ映画。 子どもを映画沼に引き摺り込む為の映画という印象。

『22/3ドーナッツ』

柄本佑の短編。男が店から飛び出し、続け様に女、男、男と続く。 一発芸にしてはスベりまくっている気がする。例えるならば、有吉の壁で勢い任せに有吉と佐藤栞里の前に飛び出てスベっている感じ。

サンクスシアター関連記事

【 #サンクスシアター 1】『旧支配者のキャロル』撮るか撮られるか映画撮影は魔界の儀式
【 #サンクスシアター 2】『OUR CINEMAS』À la recherche du temps-cinéma perdu
【 #サンクスシアター 3】『螺旋銀河』Synonymを求めAntonymと対峙する
【 #サンクスシアター 4】『遭難フリーター』闇が生まれる瞬間を見た
【 #サンクスシアター 5】『ざくろ屋敷 バルザック『人間喜劇』より』:半過去のアニメ
【 #サンクスシアター 6】『豆大福ものがたり』豆大福が出馬!汚職に賄賂にてんやわんや!
【 #サンクスシアター 7 】『ウルフなシッシー』映画であることを諦めてしまっている

※映画.comより画像引用