『COLLECTIVE』事件は一つの火災から始まった…

COLLECTIVE(2019)

監督:アレクサンダー・ナナウ

評価:80点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

アカデミー賞ノミネート選出に向けて今、様々な映画がしのぎを削っている。さて、長編ドキュメンタリー賞に目を向けると『イカロス』系やばい世界魅せますドキュメンタリー枠として『COLLECTIVE』が強いのだそうだ。ブカレスト郊外で子どもたちだけで生きる様子を捉えた『トトとふたりの姉』のアレクサンダー・ナナウ監督が、スポーツ新聞Gazeta Sporturilorに執筆していたジャーナリストCătălin Tolontanがある火災に対してルーマニアの病院がドイツより優れていると表明した保健大臣Nicolae Bănicioiuに疑問を呈する様子を取材していく中で次々と明らかになっていく腐敗の様子を捉えている。まるで劇映画のような展開が凄いということなので観てみました。

『COLLECTIVE』概要


Director Alexander Nanau follows a crack team of investigators at the Romanian newspaper Gazeta Sporturilor as they try to uncover a vast health-care fraud that enriched moguls and politicians and led to the deaths of innocent citizens.
訳:監督のアレクサンダー・ナヌウは、ルーマニアの新聞社「ガゼータ・スポルトゥリョール」の調査チームが、権力者や政治家を富ませ、無実の市民の死を招いた大規模な医療詐欺を暴こうとする姿を追う。
IMDbより引用

事件は一つの火災から始まった…

アレクサンダー・ナナウ監督が、スポーツ新聞Gazeta Sporturilorに執筆していたジャーナリストCătălin Tolontanを密着する。物語はあるクラブの火災から始まった。人々は出口を目指すのだが、出られない人が続出し会場が地獄絵図となる。衝撃映像が突きつけられる。何名かは救助された。しかし何故か多くの者が本来防げたはずの感染症で亡くなったのだ。しかも事件から数週間経って亡くなったり、病院が受け入れしたせいで助かるはずの命が奪われた。ある者は、手を失った。Tolontanは保健大臣の「ルーマニアの病院がドイツより優れている」という発言は嘘なのでは?設備なんかロクに揃ってないのでは?という疑問から張り込み調査を進めていく。ある製薬会社を取材すると恐るべきことに、抗菌液が希釈されていたのだ!こうして告発に至る。

だが、物語はここから驚くべきことへと発展していく。厚生省はその抗菌液をテストしたが95%有効だったと語るのです。そして、Tolontanサイドを詭弁で煙に巻こうとし始めるのです。日本とは違い、報道番組でのディスカッションで激しい攻防が繰り広げられ、それはやがてルーマニア市民を巻き込むへと発展していく。そして大規模デモにより政権交代することとなる。ルーマニア市民は勝利したのだろうか?

汚職や腐敗は人が変わっただけでは解決しないのである。前政権時代の大規模なマネーロンダリングが浮かび上がりTolontanの新たな闘いが始まるのである。そして企業の汚職が国際的腐敗に繋がっていることが判明してくるのです。

嘘も100回言えば真実となるように、政治家は嘘や詭弁を並べて、悠々と選挙で再選する。もはや数字や文字でしかなくなった市民を簡単に蹂躙しなかったことにする政府、企業がのうのうと社会を支配している一方で、市民はその腐敗によって苦しんでいる。だが不屈に立ち上がり続けることで世界を少しづつ変えていける。

これは日本も他人事ではない。というよりかは長いものに巻かれろと、汚職と悪手に絶望している日本にとって希望の作品である。一刻も早く日本公開されることを祈る。

あまりにドラマティックで熱いジャーナリズムの物語に心奪われました。

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※varietyより画像引用