『ダンサー そして私たちは踊った』ジョージアの旋律でフラッシュダンス

ダンサー そして私たちは踊った(2019)
And Then We Danced

監督:レバン・アキン
出演:レヴァン・ゲルバヒアニ、バチ・ヴァリシュヴィリ、アナ・ジャヴァヒシュヴィリetc

評価:55点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

#2020年上半期映画ベスト10 でチラホラ、ジョージアの伝統舞踊にフォーカスを当てた『ダンサー そして私たちは踊った』を挙げている人を見かける。本作はスッカリ見逃して忘れていた作品なので観てみました。これって『フラッシュダンス』だよね。

CHE BUNBUNの #2020年上半期映画ベスト10

『ダンサー そして私たちは踊った』あらすじ


ジョージアの国立舞踏団を舞台に若きダンサーたちが織り成すドラマを描き、第92回アカデミー賞国際長編映画(外国語映画)部門のスウェーデン代表に選出された作品。ジョージアの国立舞踊団で、ダンスパートナーのマリとともに幼少期からトレーニングを積んできたメラブ。カリスマ的な魅力を持つ新星イラクリの登場により、彼の世界は大きく動き出す。メラブの中に芽生えたライバル心は、やがて抗えない欲望へと変化していく。ジョージア系スウェーデン人の新鋭レバン・アキンがメガホンをとった。第72回カンヌ国際映画祭「監督週間」出品作品。2019年12月、シネマート新宿&心斎橋の企画「のむコレ3」で上映された後、20年2月に単独劇場公開。
映画.comより引用

ジョージアの旋律でフラッシュダンス

タタンタタンタータと伝統的な打楽器がビートを刻み、そこにパイプの旋律が重なり高揚感を醸し出す。そこへ、爪先立ちでぴょんぴょん華麗に飛び跳ねる者が空間を作り上げる。それを覗き込むようなショットで、観客を「あなたの知らないジョージア舞踏の世界」へと誘う。数年後のトム・ホランドを彷彿とさせる爽やかな青年メラブ。彼はバイトで小銭を稼ぎながらもジョージア舞踏に励む毎日を送っていたのだが、そこへライバルが現れる。絶対に勝てない天才と対峙し、彼は夜の街へ逃げつつも己と彼との関係性を見つめ直す。そこに生まれるのは、嫉妬か愛か?苦痛なのか?

アーティストの挫折や辛酸が詰まったこの青春劇は、なかなか観る機会のないジョージアの舞踏や音楽のエキゾチックさによってスパイシーに仕上がっている。そして耽美的なレヴァン・ゲルバヒアニと美しい風景のショットが観る者に快感を与える。そしてラストはジョージア音楽の旋律が流れているものの、明らかに『フラッシュダンス』を意識した描写となっており映画ファンが歓喜するのも納得だ。私も大好きだった。

それだけにがっかりするところも多い作品である。まず、何と言ってもライバルであるイラクリや鬼講師にオーラがないことである。メラブ役を演じたレヴァン・ゲルバヒアニから滲み出るカリスマ性やファッションの美しさが逆にノイズとなってしまい、苦悩が全然見えてこない問題を抱えている。さらに、『Girl/ガール』と似た舞踏撮影の下手さから来るフラストレーションが致命的となっている。身体全体での躍動をクローズアップで捉えることで、身体表現の魅力が半減してしまっている。また、身体全体を捉えるショットでは、レッスンスタジオのバーが視界を遮っていたりして、ノイズとなってしまっている。流石に、ジョージア舞踏の特徴である足の動きのクローズアップにはキレを感じるものの、不必要にカットを割って、それで焦燥やらを描こうとする浅はかさにゲンナリしてしまった。

そう考えると、カルロス・サウラのフラメンコ映画や、ヴィム・ヴェンダースの『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』がいかに身体表現を余すことなく画面にとらえ続けているのかが分かる。

とにかく惜しい、推しすぎる『フラッシュダンス』映画であった。

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