『RAY&LIZ』写真家リチャード・ビリンガムが捉える家族の”動く”肖像

レイ・アンド・リズ(2019)
RAY&LIZ

監督:リチャード・ビリンガム
出演:リチャード・アッシュトン、Jamie-Lee Beacher、ミッチェル・ボナールetc

評価:60点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

昨年、世界の映画批評家の中で話題となった『RAY&LIZ』を観ました。本作は、写真家であるリチャード・ビリンガムが今まで写真というメディアを用いて家族を捉えてきたものを劇映画として構築した作品です。

『RAY&LIZ』あらすじ


Photographer Richard Billingham returns to the squalid council flat outside of Birmingham where he and his brother were raised, in a confrontation and reconciliation with parents Ray and Liz.
訳:写真家のリチャード・ビリンガムは、彼と弟が育てられたバーミンガム郊外の廃墟と化したカウンシルフラットに戻り、両親のレイとリズとの対立と和解を図る。
IMDbより引用

写真家リチャード・ビリンガムが捉える家族の”動く”肖像

写真とは、この世のある点を捉えるメディアだ。一方、映画は線で世界を描くメディアだ。写真家リチャード・ビリンガムが初の劇映画として制作した本作は、アルコール中毒者である父と、ヘビースモーカーである母の間に生まれた彼が家族と自分の関係を再構築していく作品となっている。客観性を保つためか、映画の中心には赤ちゃんである弟のジェイソンを配置し、何故か長時間にわたって訪問者が家にある酒を飲み散らかす場面を描いていく歪な作りとなっている。

それは如何にリチャードの家族がバラバラだったのかを示している。互いに無関心であり、訪問者が暴れていようが興味がない。ジェイソンは混沌の中に放置されたままである。そして、映画はほとんど家の中から出ない。時折、家から下界を登場人物が覗き込むショットが挿入される程度である。それは、この歪な家族が外の社会と隔絶されていることを暗示している。

本作は、御察しの通り監督のノスタル自慰映画であり、個人的な作品だ。しかしながら、点から線へ見事に翻訳された全編無駄のない構図の維持は観る者は感動させるものがあります。こういった作品こそ、東京都写真美術館で上映されてほしいなと思いました。

ブロトピ:映画ブログの更新をブロトピしましょう!
ブロトピ:映画ブログ更新

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です