『Grâce à Dieu』フランソワ・オゾンはやっぱりコムシコムサ

Grâce à Dieu(2018)
By the Grace of God

監督:フランソワ・オゾン
出演:メルヴィル・プポー、ドゥニ・メノーシェ、スワン・アルローetc

評価:40点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

フランソワ・オゾン監督快進撃と話題の『Grâce à Dieu』を観ました。新型コロナウイルスの猛威が影響しなければ7月日本公開されるようですよ。

『Grâce à Dieu』あらすじ


The three men, friends of childhood, will cross, compare their personal experiences and question their life of couple, family and professional.
訳:幼なじみの友人である3人の男性は、個人的な経験を比較し、比較し、カップル、家族、専門家の人生に疑問を投げかけます。
IMDb.comより引用

フランソワ・オゾンはやっぱりコムシコムサ

フランソワ・オゾン監督は《コムシコムサ》だ。

《コムシコムサ》とはフランス語でcomme ci comme ça書き、意味は「良くも悪くもない」、つまり「まあまあ普通」と言いたい時に使われる言葉です。

映画祭の常連であるフランソワ・オゾンは、毎回映画祭ウケはするとは思うが、作家性や演出に吹っ切れていないイメージが強く、常に60点ぐらいの出来の作品を放っている監督です。

さて、そんなフランソワ・オゾン監督が2019年のベルリン国際映画祭で審査員グランプリを受賞した。彼は三大映画祭の常連であるが、受賞したのは2000年のベルリン国際映画祭で『焼け石に水』がテディ賞を受賞したぐらい。これはベルリン国際映画祭のラインナップが不作だったと取るべきなのか?本当に凄い作品なのか?疑心暗鬼で観たのだが、結果は前者であった。

本作は、ベルナール・プレナ神父に虐待を受けた者たちが、結託して闘った実話を基にした作品です。カトリック教会が組織ぐるみで、性的虐待を行なっていたことは2010年代最大のスキャンダルとして話題となり、2015年には『スポットライト 世紀のスクープ』が作られアカデミー賞作品賞を受賞しました。また、チリの巨匠パブロ・ララインも同年に神父目線から描いた『ザ・クラブ』を発表し、その年のベルリン国際映画祭審査員グランプリを受賞している。

その2作を踏まえて本作を観ると、エンタメにもアートにも吹っ切れてなく、ただただ真面目な作品に仕上がっていた。なんといっても、全編が手紙の朗読や被害者のインタビューで進んでおり、説明台詞に頼りすぎている問題を抱えているのです。

こういったセンシティブな事件は、容易にエンタメ化してはいけないと『スポットライト 世紀のスクープ』に対する反発として位置付けているのだろう。事実を隠蔽しようとする巨大組織を、関係者調査によって明らかにしていく過程は全くもって『スポットライト 世紀のスクープ』と同じなのだが、ひたすら一定のテンションで描いている。ただ、それは映画ではない。そして、ドキュメンタリーとしても事実を並べているだけに過ぎない。

こういった悲惨な事件を描くのであれば、映画という特性を活かして多くの人の心に刺さる様に描く必要がある。「実は性的暴行を受けていたんだ」という告白を延々と並べられても退屈で、この話題に対する興味を削ぐ結果となってしまう。

そう考えると『スポットライト 世紀のスクープ』は、ジャーナリストとしての戦いに盛り上がりを託し、カトリック教会の暗部を告発する社会はエンターテイメントとしての良さに満ち溢れており、『ザ・クラブ』はミステリー仕立てで段々とカトリック教会の悪が露見していく様のアートて映画的面白さに満ち溢れていた。

本作は重要なトピックを説明台詞で腐らせてしまった作品に過ぎなかったと言えよう。とはいえ、今年ワーストクラスの破壊力もないので、相変わらず《コムシコムサ》な監督である。いつになったら『危険なプロット』の様な傑作が再び現れるのだろうか?
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