【アカデミー賞特集】『Aquarela』長編ドキュメンタリー賞ショートリスト選出のネイチャーもの

Aquarela(2018)

監督:Viktor Kossakovsky

評価:65点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

先日、アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞ショートリストが発表されました。その中にネイチャー映画枠としてViktor Kossakovsky監督の『Aquarela』が選出されていました。Viktor Kossakovskyはロシア・レニングラード出身のドキュメンタリー映画監督だ。彼は1978年にレニングラードのドキュメンタリースタジオで映画のキャリアを開始する。彼は1988年にモスクワの映画マスタークラスを卒業しました。

1993年、農民家族の肖像をレトロな白黒写真の雰囲気で映したデビュー作『Belovy』は、アムステルダム国際ドキュメンタリー映画祭でVPRO Joris Ivens AwardとAudience Awardの両方を受賞する。

その後、自分が1961年7月19日にレニングラードで生まれた101人目の子供だったことから着想し、30年後他の1961年7月19日にレニングラードで生まれの生き様を追おうとするSredaでカルロヴァリ国際映画祭名誉賞を受賞する。

近年では、アルゼンチンと中国の文明に迫ったドキュメンタリー『¡Vivan las antípodas!』がレイキャビック国際映画祭を始め、世界の映画祭を席巻させた。

さてそんな彼の最新作『Aquarela』は毎秒96フレームという密度で、シベリア、グリーンランド、カリフォルニア、ベネズエラにある氷の土地での人の生き様、自然の営みを描いた作品だ。米国iTunesで配信されていたので観てみました。

『Aquarela』あらすじ


Water and ice are shown around the world, in all of their many powerful forms.
訳:水と氷は、それらの多くの強力な形のすべてで、世界中に示されています。
imdb.comより引用

この水彩画、映画館で観たい

タイトルの『Aquarela』の意味は《水彩画》。

まさしく水彩画の美しさで、氷の大地が映し出されます。広大な氷の大地にポツンと立つ人々。遥か遠くで家が燃えている様。氷の中から車が掘り起こされる様。どのショットも絵になります。氷の大地では、淡い色彩が溝を流れていく。液体は、ピシッピシッとひび割れながら固まっていく。仕事の疲れなんか吹き飛ぶ5感で癒していくものが画面全体に漂っています。また、国境なんて人類が作り出したにすぎないということを本作は教えてくれる。

シベリア、グリーンランド、カリフォルニア、ベネズエラの大地が何の説明もなく切り替わっていくのだが、全く気にならない。そこにある大地、水の形をそのまま受け取るしかないのだ。

ただ、この作品は環境問題に警鐘を鳴らしている作品であり、中盤の氷山の崩壊映像と対比させるように、終盤にかけて都市部の大雨、災害が映し出されるのだ。ちょっとそこに監督の主張が強すぎるものを感じてしまい、浅い地球温暖化批判に留まってしまったかなと感じてしまいました。日本公開は恐らくしないと思いますが、できれば映画館で全身に自然を浴びたかったなぁ。

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