【東京フィルメックス2019】『昨夜、あたなは微笑んでいた』日本人が知らないカンボジアのこと

昨夜、あたなは微笑んでいた(2019)
Last Night I Saw You Smiling

監督:ニアン・カヴィッチ

評価:60点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

第20回東京フィルメックスで学生審査員賞と、スペシャル・メンションを受賞したカンボジア映画『昨夜、あたなは微笑んでいた』を観ました。本作品は、王兵(ワン・ビン)ドキュメンタリーを思わせる廃墟を撮ったドキュメンタリーなのですが、思わぬところで日本が絡んでくる作品でありました。

『昨夜、あたなは微笑んでいた』あらすじ


歴史的建造物として知られたプノンペンの集合住宅「ホワイト・ビルディング」。取り壊し直前のこのビルにカメラを持ち込み、そこに暮らす人々をとらえたドキュメンタリー。ロッテルダム映画祭でNETPAC賞(アジア映画賞)を受賞した。
※東京フィルメックスサイトより引用

日本人が知らないカンボジアのこと

カンボジア・プノンペンにある集合住宅ホワイト・ビルディングは1963年に建築されてから、長い間人々の住まいを提供してきた。一時期は廃墟になっていたものの、芸術家や役者等が棲みつくようになり、栄えていた。そんなホワイト・ビルディングが日本企業に買収され、取り壊しが決まってしまう。500世帯に及ぶ人々は、立ち退きを余儀なくされたのです。退去に必要なお金はある程度支払われるものの、そうそう簡単に家を手放すことはできない。中には数十年に渡ってそこに住んでいた人もいるのだ。しかし、一度荷物を持って出てしまったら、扉を塞がれてしまうので、彼らは建物にお別れを言ったり、思い出を探りながらどこかへ消えていく。本ドキュメンタリーは歴史の終焉にある廃墟を映し出すことで、歴史のアーカイブを試みている。被写体へ積極的に話しかけることで、ホワイト・ビルディングに眠る重層的な過去を掘り起こそうとする極めて考古学者的な演出で描かれているのだ。

ただ、王兵等の廃墟ドキュメンタリーを観なれているブンブンからすると、ニアン・カヴィッチ監督の腕前は未熟なところが多く、ただ撮ったものを映画にまとめているだけの印象が強かった。廃墟ドキュメンタリーを撮るのなら、ショットに拘って欲しいし、ラストの内部から見た建物の崩壊シーンは、カメラが目の前の光景から逃げすぎていると感じてしまいました。ただ、それでも日本人が知らない、日本企業が海外で行なっている酷いことを知れただけでも新鮮でありました。

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