下女(1960)
The Housemaiden
監督:キム・ギヨン
出演:キム・ジンギュ、チェ・ジュン、ニョイ・ウンシム、アン・ソンギetc
評価:70点
おはようございます、チェ・ブンブンです。ポン・ジュノの『パラサイト 半地下の家族』が楽しみなブンブンは、インタビューや海外の記事を読み漁っているのですが、The Korea Heraldによると、本作はキム・ギヨンの名作『下女』の要素を取り込んでいるとポン・ジュノ監督が語っていました。『死ぬまでに観たい映画1001本』に掲載されている本作は、オーソドックスな家乗っ取り物語であり、なんとその代表であるジョゼフ・ロージーの『召使』よりも先に作られている作品とのこと。ということで予習で観てみました。
『下女』概要
夫が下女と関係を持ったため、彼女により地獄の底に落とされるピアノ教師一家を描くメロドラマ。監督はキム・ギヨン。出演はキム・ジンギュ、チュ・ジュンニョ、イ・ウンシム、アン・ソンギほか。2008年10月18日より開催された「第21回東京国際映画祭 アジアの風-ディスカバー亜州電影」にてカンヌ2008復元デジタル版を上映。2014年11月1日より、東京・シネマヴェーラ渋谷にて開催された「韓国映画の怪物 -キム・ギヨンとキム・ギドク-」にてデジタル上映。
※MovieWalkerより引用
韓国版『召使』はとても怖いぞ!
本作は何と言っても、小道具、舞台装置の使い方が面白い。
前半、息子が松葉杖を使う娘に嫌がらせをする。お菓子の袋を持って階段上に登り、「やーい、やーい、お前はここまで来れないだろう。」といじめる。母親は制止しようとするのだが、父親は「やめなさい。甘やかすな。」と言う。娘は、一生懸命階段を登るが、遂には倒れてしまい、泣き始める。少年が駆け寄り、ごめんよと袋を差し出すと、それを彼女が奪い取り、その泣きは嘘であったことが発覚する。この騙しは映画を象徴する。
ブルジョワの召使いとして現れた魔性の女が、段々と家を乗っ取っていく未来を予感させるのだ。そこで効果的に使われるのはピアノである。ピアノの先生である、父はピアノを簡単には使わせない。選ばれし者のみが触れることのできるものとして機能する。しかし、後半にいくに従って、「お金のためにピアノを弾かなくてはならない。私に教えさせてくれ。」と叫ぶようになるのだ。下女はマリオネットのように家族を制圧し、見えざる意図によってこのブルジョワはコントロールできない自己に苦しむのです。
これがどのように『パラサイト 半地下の家族』に結びついているのか観るのが楽しみです。少なくても、ただの官能映画になってしまっているリメイク『ハウスメイド』よりかは上手い使い方をしているでしょう。
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