『彼らは生きていた』ピーター・ジャクソンがリストア!第一次世界大戦の記憶を。

彼らは生きていた(2018)
They shall not grow old

監督:ピーター・ジャクソン

評価:60点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

ピーター・ジャクソンが製作した『モータル・エンジン』が1595万ドルの興行収入だったのに対し1795万ドルあげたピーター・ジャクソン監督のドキュメンタリー映画『They shall not grow old』。BBCが所有する600時間に及ぶ第一次世界大戦の映像をデジタルカラー3D化した作品だ。米国iTunesにて配信されていたので観てみました。

『They shall not grow old』概要


A documentary about World War I with never-before-seen footage to commemorate the centennial of the end of the war.
訳:第一次世界大戦についてのドキュメンタリー。終戦の100周年を記念した、これまでに見たこともない映像。
imdbより引用

貴方の無意識を刺激する

戦時中の映像をカラーにリマスターしたシンプルなドキュメンタリーだが、我々の《無意識》を刺激する痛快な作品でありました。

我々にとって第一次世界大戦の戦場は遥か遠い昔の話。あまりに昔の話でリアリティが失われている。最近の医学調査では、カラーテレビ登場前の人々が観る夢は白黒であったとのことだが、まさしく我々にとって第二次世界大戦以前のリアルは白黒の世界なのだ。

面白いことに、現実だった戦時中の兵隊の生き様を捉えた映像を、カラーに、高解像にリマスターするとそこにリアリティを感じることができなかった。劇映画にしか見えませんでした。塹壕に入っていてもポンッとヘルメットが吹っ飛ぶほどの銃撃を受けたり、血だらけやつれた軍人さんを観ても、零地点で爆撃をくらい蹌踉めく馬を観ても、よっぽどトーキョーノーザンライツフェスティバルで観た『若き兵士たち』の戦場の方がリアルだったのだ。

つまり、この作品は監督の意図しない面白い化学反応を楽しめるのです。白黒の戦争ドキュメンタリーは、白黒のままの方がリアルだ。一方、戦争映画はカラーの方が白黒よりリアルだ。我々が生きる中で無意識にかかるバイアスをこのドキュメンタリーは教えてくれました。日本公開は未定ですが、音にまでこだわり抜いた映像としての楽しさやアーカイブの側面としての重要さもあるので、是非日本公開してほしいし多くの方に観て頂きたい作品でした。

日本公開は2020年1月です。

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