ONE PIECE STAMPEDE ワンピース スタンピード(2019)
監督:大塚隆史
出演:田中真弓、中井和哉、岡村明美、山口勝平、平田広明etc
評価:75点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
夏休みだ!サラリーマンは涙が出るほど嬉しい夏休みのシーズンが到来した!!
それを聞いて「ブンブンも楽しめるのだろうか?」
と一抹の不安を抱きました。
…結論から言おう。
めちゃくちゃ面白かったです。
ってわけで本記事は『ONE PIECE』ど素人から見えた世界をネタバレありで語っていきます。
『ONE PIECE STAMPEDE』あらすじ
原作コミック、アニメともに絶大な人気を誇る「ONE PIECE」の3年ぶりとなる劇場版。アニメ化20周年を記念して製作され、原作者の尾田栄一郎監修の下、世界中から海賊が集う「海賊万博」を舞台にしたオリジナルストーリーが展開する。海賊の海賊による海賊のための祭典「海賊万博」に招待されたルフィたち麦わら一味。会場には世界中から海賊が群がり、万博の目玉である「海賊王(ロジャー)の遺した宝探し」で、お宝争奪戦が繰り広げられる。しかし、その盛り上がりの裏には、万博の主催者であり別名「最悪の戦争仕掛け人」と呼ばれるブエナ・フェスタの企みがあった。そして、お宝争奪戦が熱を帯びる中、元ロジャー海賊団「“鬼”の跡目」と呼ばれた男ダグラス・バレットが乱入し、ルフィたちの前に立ちふさがる。ゲスト声優はユースケ・サンタマリア、指原莉乃、山里亮太(南海キャンディーズ)。
※映画.comより引用
Festa! Festo! Festival!
竜頭蛇尾なんて言葉を知らぬ、ラスボスレベルの戦闘力を持った海の猛者が国を滅ぼすほどの大技をぶつけ合う100分は、いい意味で体感時間が5時間に感じる程の情報量を持っている。アベンジャーズと違うところは、ガチなならず者というところ。彼らの辞書に協調なんて言葉がないので、世界を滅亡させるほど巨大な鉄の塊となったバレットを前に作戦会議をすることない。一応は団結するものの、各々が勝手に動き大技ワンパターンの脳筋攻撃で敵を粉砕しようとする。徹頭徹尾アクションと往年の海賊たちの魅せ場で構成されている。だから脚本としては、群像劇としての線の意外な結びつきに欠けるところがある。また、本作は『ONE PIECE』を知っている前提で話が進むので、人間関係は極限まで省略されている。
なので、ブンブンのような一見さんはお断りなのは明らかだ。
でも、これがいい意味で良かった。
情報不足を情報過多で埋めていく。ただそれだけならそこまで心に響かなかったのだが、ひたすらに攻撃あるのみ、敵も味方も一つの方向を向いたらもう仲間さと手を差し伸べるモンキー・D・ルフィーの圧倒的カリスマ性。それに100%とは言わないが各々の特殊能力で応えていく海賊たちに燃えるものがある。まさに経営者の鏡だ。負ける予感しかしない強大な敵、激しい争奪戦に対し、ひるむことはない。とにかくやってみようぜ!傷ついているのなら助けようと自ら最前線に立ち、なおかつ底抜けに明るいルフィーの存在を前に置くことで、その周りでメラメラと燃える魂に涙が出てきます。
特に、フロントラインから離れて微々たる攻撃をするウソップが、力尽きる終盤の展開はアクションで埋め尽くされた本作数少ない静のベクトルを向いた場面ではあるのだが魂を最大限揺さぶることとなる。スリングショットで倒せる相手ではないのだが、ルフィーに触発され最前線からバレットを狙撃するウソップ。チョッパーの救いの手を振り払い「ルフィーを助けよ」と最期の声を振り絞るウソップ。そして、ウソップのスリングショットが時限装置としてバレットを倒す決定打となるクライマックス。これに泣かぬ者はいないだろう。
そんな本作は、サノス以上に凶悪なバレットを倒し、お宝ONE PIECEのありかを示す羅針盤を強奪するものの、ルフィーがそれを粉砕して終わる。
そうです。
羅針盤なんて 渋滞のもと
熱にうかされ 舵をとるのさ
という『ウィーアー!』の精神に対する答えを観客に叩きつけるのです。
これは『ONE PIECE』ど素人ですら興奮する映画だったのです。バレットよりも弱いであろう、海軍のに怯えているところ(事情はよくわからないが、一致団結すれば秒殺できるのでは?)や往年の海賊たちを並べているだけで群像劇としては破綻しているところなど脚本には多くの問題が潜んでいるのだが、この祭りにブンブンは文句言えない。これぞ夏休み映画と言えよう。
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