kino cinéma(キノシネマ)立川髙島屋S.C.館に行ってきた
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昨年から木下グループの映画配給業を専門とするキノフィルムズが本気を出している。カンヌ国際映画祭では、片っ端から映画の配給権を獲得し、『ボーダー 二つの世界』や『CLIMAX クライマックス』といったハードでマニアックな作品も積極的に購入していきました。さらに、東宝、松竹に負けないぞと『空母いぶき』の製作も行い、遂には今年に入って映画館まで作ってしまいました。先日、横浜にkino cinéma横浜みなとみらいをオープンさせたキノフィルムズは、勢いに乗って立川、それも映画ファンから熱烈な支持を集めているシネマシティの横に映画館を作りました。ってことでリポートしに家から2時間半以上かけて立川駅に降り立ちました。
もくじ
kino cinéma(キノシネマ)立川髙島屋S.C.館はどこにあるの?
住所:〒190-0012 東京都立川市曙町2-39-3 立川髙島屋ショッピングセンター8F
オープン時間:10時(髙島屋の営業に準じる)
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ちなみに、右手にはシネマシティ シネマ・ワンがあります。ハシゴ映画しやすいですね。
映画鑑賞の空間を提供することに特化した場所
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これが入り口です。赤い壁にkinoと書かれた受付は、ヨーロッパのミニシアターを思わせるところがあります。こんな狭い場所にスクリーンが3つも入っているのと疑うほど小ぢんまりとしています。
また、面白いことに、映画館はシネコンであろうとミニシアターであろうとコンセッション(売店)での収益が重要となっているので、できるだけ来場者の購買意欲を刺激するポップや広告で煽るのですが、ここは全然主張していないのです。コンセッション上部のパネルには、ドリンクやフードの写真があるだけで、値段も書いていない。購入する際はカウンターのメニューより選ぶシステムになっているのです。
さらには、パンフレットやムビチケの販売も全然主張していないのです。寧ろ、スタバにおける裏メニュー的存在として扱われているのです。どのカウンターでパンフレットやムビチケを買えるのかといったことが分かるようにした方がいいのではと思ったり、収益面は大丈夫なのか?と不安になるのですが、景観面では好感が持てます。今後のグレードアップに期待したいところです。
チケットシステム
ここで、kino cinémaの料金体制を見てみましょう。・kinocinémaメンバーシップ ¥1,300
・一般 ¥1,800
・大学・専門生 ¥1,500
・高校・中学・小学生 ¥1,000
・幼児(3歳以上) ¥1,000
・シニア(60歳以上) ¥1,100
・夫婦50割引 夫婦で¥2,200
・ハンディキャップ割引 ¥1,000
・火曜会員デイ ¥1,000
・木曜会員デイ ¥1,000
・ファーストデイ ¥1,100
(12/1の映画の日は、¥1,000)
・水曜サービスデイ ¥1,100
・プラチナ&プレミアムシート
鑑賞料金+¥700
※kinocinémaメンバーシップ(会員)は、鑑賞料金+¥500で利用可
kino cinémaはテアトル系の料金体系を参考にしており、入会金1,000円を支払い、kinocinémaメンバーシップに所属することで、常時1,300円で映画が観られる他、火曜日木曜日には1,000円で鑑賞できたりします。
インターネットから予約してみましょう
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kino cinémaのチケット予約が他の劇場と違ったので書いておきます。まず映画をハシゴする人は、ちょっと困ったUIかも知れません。というのも、TOHOシネマズやヒューマントラストシネマなどのチケット予約システムを見ると、日付ごとにどんな作品が何時に上映されるのかが分かるようになっています。しかしながら、kino cinémaの予約サイトは、観たい作品を選択して、その作品が上映されている時間帯を探す仕組みになっています。なので、複数本観る人は、サイト内を行き来する必要が出てきます。これはちょっと使い辛いかな。
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チケット予約画面に関しては、映画ランド株式会社のシステムが導入されており、黒画面が特徴となっています。
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予約する際に、映画ランドの登録メールアドレスとパスワード入力が求められますが、FacebookやTwitterアカウントと連携することで予約することができます。もちろん、これらと連携せずとも「非会員のまま進む」を押すことで先に進めます。
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必要情報を入力したら購入できます。
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kino cinémaの嬉しいところは、インターネット購入していれば、メールアドレスに届いたQRコードを入り口で見せるだけで入場できるところ。日本だと、いまだに劇場で発券する必要のあるところが多く、急いでいる時に限ってチケット発券機の前に長蛇の列ができていたりしてゲンナリすることがあるのですが、kino cinémaではそんな心配はありません。
スクリーン情報
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kino cinéma(キノシネマ)立川髙島屋S.C.館は3つのスクリーンがあります。ブンブンは今回スクリーン3に潜入しましたので後述します。
スクリーン1
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89席(車椅子2席):コトブキ社製 CN552642タイプ背ロッキング特注品
デジタルシネマプロジェクター:クリスティ社製
デジタルシネマサーバー:GDCテクノロジー社製
音響:リニアPCM7.1ch、フランス TRINNOV社製 シネマサウンドプロセッサー「OVATION」
スピーカー:ステージスピーカー及びサブウーファー:QSC社製、サラウンドスピーカー:イースタンサウンドファクトリー社製
スクリーンサイズ(m):VV 4.0×2.2 / CS 5.2×2.2
3Dシステム:XpanD社製
スクリーン2
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89席(車椅子2席):コトブキ社製 CN552642タイプ背ロッキング特注品
デジタルシネマプロジェクター:クリスティ社製
デジタルシネマサーバー:GDCテクノロジー社製
音響:リニアPCM7.1ch、フランス TRINNOV社製 シネマサウンドプロセッサー「OVATION」
スピーカー:ステージスピーカー及びサブウーファー:QSC社製、サラウンドスピーカー:イースタンサウンドファクトリー社製
スクリーンサイズ(m):VV 4.0×2.2 / CS 5.2×2.2
3Dシステム:XpanD社製
スクリーン3
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27席(車椅子2席):開業時は別シートで、夏にFERCO社製「Premium Verona Zero Wall with Wooden Outer」特注品、「OPUS GLIDE」特注品へ変更予定
デジタルシネマプロジェクター:クリスティ社製
デジタルシネマサーバー:GDCテクノロジー社製
音響:リニアPCM7.1ch、フランス TRINNOV社製 シネマサウンドプロセッサー「OVATION」
スピーカー:ステージスピーカー及びサブウーファー:QSC社製、サラウンドスピーカー:イースタンサウンドファクトリー社製
スクリーンサイズ(m):VV 3.5×1.9 / CS 4.5×1.9
3Dシステム:XpanD社製
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ブンブンは、『COLD WAR あの歌、2つの心』を観たので、スクリーン3に潜入したのですが、アップリンク吉祥寺とはまた違ったコンセプトの劇場でした。試写室のような空間にズラリとレザーの座席が備え付けられていました。課金する必要のない座席も、高級感溢れる座席だったのです。
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実はkino cinémaが目指しているのは、リクライニングシートの導入なのです。韓国のCGVでは既に映画体験の付加価値としてリクライニングシートの導入がされているのですが、それと同じことを試みているのです。実際に座ってみると、無課金通常座席であってもまるでゴッドファーザーのように座ることができます。リクライニングを倒しても、後部座席の人の迷惑にならないよう十分な座席間隔が空けられているので、喧嘩にはなりにくい仕組みとなっています。
また、フード置き場も高級感溢れる木目のものとなっており、入場した瞬間から最高の映画体験を提供することに成功しています。
座った感じが、こちらです。前の人が気になりません。こんな空間で、耽美的な撮影と音楽に包まれた『COLD WAR あの歌、2つの心』は格別でした。物語こそ、そこまで乗れないところがあったのですが、大スクリーン、ファーストクラスのような座席に腰掛け美しき世界を謁見する体験は底知れぬ感動を呼び覚ましました。最近、映画館運がなく、米国iTunesやNetflixに逃げてばかりいたブンブンですが、映画館っていいもんですねーと思いました。
最後に
キノフィルムズは、映画配給会社の中でも今最もギラギラしているものを感じます。もちろん、配給権を購入したまま一向に捌ききれていない問題や、コンセッションがシンプルすぎて収益面で不安になってしまうところ、チケット購入ページのUIがイマイチだったりと課題はあるのですが、映画に対する姿勢はどこよりも熱い。ブンブンも、そんなキノフィルムズ及びkino cinémaの活躍を今後も見守っていきたいなと思いました。
↑お手洗いに何故かポパイがいました。
興味ある方は、是非立川へ行ってみてください。
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