【クラシック】『カラスの飼育』カルロス・サウラはフラメンコだけじゃない!

カラスの飼育(1976)
Cría Cuervos

監督:カルロス・サウラ
出演:アナ・トレント、ジェラルディン・チャップリン、コンチ・ペレスetc

評価:70点

ブンブンの親友が、映画評を書く際に度々カルロス・サウラの『カラスの飼育』を引き合いに出す。カルロス・サウラと言えば、『血の婚礼』や『カルメン』、『フラメンコ・フラメンコ』とフラメンコ映画しか撮っていないイメージが強い。そんな彼も劇映画を撮っていました。長年、観ず嫌いしていたのですが、折角なので観てみることにしました。

『カラスの飼育』あらすじ

母は死んだ!アナは優しい伯母の元で暮らすことになったが、どうも気が合わない。ある日、伯母に怒られた腹いせに、毒薬を飲ませようとするのだが…

どこか懐かしい青春の香り

Jeanetteの名曲『Porque te vas(なんであなたは行ってしまったの?)』 の軽快ながら哀愁漂う曲が、本作を象徴している。この作品は、高校時代に国語の課題としで『異邦人』や『若きウェルテルの悩み』といった古典を読んだ時のような、小難しくもその隙間から滴る苦くも美味い果実を吸うような至福の時間を体験できる作品だ。母を失い、別に不自由はしないんだけれども、母の面影を求める少女アナの永遠に続くような退廃の世界を描いている。今みたいにスマホなどない世界、孤独を癒す場所はない。金も娯楽もない彼女は愛すら失われた荒野を歩く。Jeanetteの『Porque te vas』だけが彼女を癒します。別に、伯母はシンデレラに出てくるような意地悪姉さんではない。ちょっと神経質だが、遠くからみたらいたって普通だ。しかし、アナにとっては倒すべき相手なのだ。そんな彼女は、ミルクに毒を混ぜることで伯母を倒そうとする。アンニュイで、アート映画の仮面を被っていながら、そこはアクションサスペンスさながらの目線・手先へのフォーカスに拘る。だから、妙にハラハラドキドキしてくるのだ。

心理ドラマとよく言われているが、それにしてはアッサリとしており、『ミツバチのささやき』のような難解映画を想定してみると肩透かしを食らってしまうのだが、観終わると、脳裏にJeanetteの木霊が響き渡り、忘却の彼方に追いやるでなかれとブンブンを決して離さないのでした。

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