シモン・マグス(1999)
英題:Simon, the Magician
原題:Simon mágus
監督:イルディコー・エニェディ
出演:ペーター・アンドライ、ジュリー・デラルム、Péter Halász、ユベール・クンデetc
評価:65点
3/30(土)より『心と体と』で日本でも注目されたハンガリーの監督イルディコー・エニェディ激レア作品『私の20世紀』が公開されます。それを記念して、別のイルディコー・エニェディ激レア作品を紹介します。『シモン・マグス』あらすじ
『心と体と』未見だが、イルディコー・エニェディ映画に初挑戦。ブンブンの親友の映画超人が昨年の旧作ベストに挙げていたのでワクワクしながら観た。タイトルは『シモン・マグス』なだけに、どうやら宗教的話らしい。ただ、重苦しい話ではなく、むしろシュワちゃんの『エンド・オブ・デイズ』に近い作品であった。
In this surrealistic movie from the director of My 20th Century, the French police seek help from Simon, a visionary living in Budapest to solve a murder case. Whilst in Paris, Simon falls in love with Jeanne, although they do not speak each other’s language. When Jeanne leaves for a couple of days, Peter, another visionary, calls Simon for a duel: They both have to spend three days buried alive. Will Simon ever meet his love again
ブンブン訳:『私の20世紀』の監督が放つ超現実的な映画は、フランスの警察が殺人事件を解決するためにブダペストに住む先見の明のあるサイモンの助けを求めているところから始まる。パリにて、SimonはJeanneに恋をしますが、お互いの言語を話しません。ジャンヌが数日間去るとき、ピーターは決闘のためにシモンを呼びます。サイモンは再び愛と出会うことでしょう
※IMDb.comより引用
パリのリヨン駅に呼び出された魔導師シモンは、警備員と喧嘩中の女に一目惚れする。殺人の捜査の手伝い(普通に溶け込んでいるが、そんな神秘に頼って大丈夫なのか?)は上の空。解決する気あるのか?というほどになあなあとパリを彷徨う。そして、ハゲから儀式の計画が知らされる。
シモンマグスとはキリストの対抗者、いわばヴィランである。闇の魔術師シモンが、天使のような、キリストのような存在ジャンヌに惚れてしまい、さあどうする?という、神話の脱構築がここで展開されているのだ。
宗教に疎いので、ぶっとんだ展開の意味がよく分からないのだが、音楽の鋭さと浮遊感ある映像は圧倒的作家性が滲み出ていて、ぐいぐいと引き込まれていく。汚いパリの風景を映しているのにカッコイイ!
そして、シモンの童貞感全開の気持ち悪い視線の先にいるジャンヌの美しさには私も惚れ込んでしまった。
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