【映画館リポート】アップリンク吉祥寺こそバウスの血を継ぐ映画体験施設だ!

【映画館リポート】アップリンク吉祥寺こそバウスの血を継ぐ映画体験施設だ!

先日12/14(金)に吉祥寺パルコ地下2階に、映画館アップリンク吉祥寺がオープンした。アップリンクといえば、渋谷の奥地に構える映画館。まるで自宅のようなスペースで、ドキュメンタリーやコアなアート作品を堪能できる唯一無二の映画館だ。

しかも、オーナーの浅井隆は、あのカルト映画の巨匠アレハンドロ・ホドロフスキーの『リアリティのダンス』や『エンドレス・ポエトリー

』の製作に携わったりと海外巻き込んで映画体験を盛り上げようとしている。

浅井隆はFASHIONSNAP.COM『12月オープンのアップリンク吉祥寺、館内の設計やこだわりとは?

』にて次のように語る。

「まず、映画館で映画を観る人と観ない人に別れてて、映画を観る人はいろんなのが観たいんですよ、ニーズは多様になっているから、『オーシャンズ8』とかハリウッドメジャー系も観るけど、インディーズやドキュメンタリーも観る」

大手映画会社は、普段映画をみない人に映画館へ足を運んでもらうべく、お笑い芸人とのコラボやキャッチーな宣伝CMを打ったりと日々しのぎを削っているが、アップリンクの経営戦略は「年に1,2本くらいしか映画をみない人に足を運んでもらう」「年に何本も映画を鑑賞し、海外から映画情報を入手しているコアなファンに足を運んでもらう」ことにある。今年は、V8 Japan主催で『バーフバリ 王の凱旋』や『ストリート・オブ・ファイヤー』等の応援上映が白熱した年。そこにアップリンクもコミットして、渋谷でも応援上映が開催されたりした。

ブンブンは、中学3年生の時に原一男の『ゆきゆきて、神軍』を観に初めてアップリンク渋谷を訪れた。そこでの映画体験が衝撃的で、さらに映画にのめり込み、今や映画ブロガーとして活動している。アップリンクのおかげでキェシロフスキの『デカローグ』とも邂逅したし、ホドロフスキーのクラウドファンディングに参加するようにもなった。ブンブンの周りの映画ファンはあまりアップリンク渋谷が好きではないのだが(後述)、誰がなんと言おうとも、ブンブンはアップリンクが好きだ。そんなブンブンだけに、今回の吉祥寺のオープンは興奮した。なんたって、吉祥寺はブンブンが青春を過ごした場所なのだから。あの時代にアップリンク吉祥寺があればなと、悔しんだ程だ。昨年、ココロヲ・動かす・映画館○ことココマルシアターがオープンするも、映画史上最も最悪な映画体験

をしてしまい哀しみにくれていただけに、このオープンは希望の光でした。

ってことで、前置きが長くなりましたが、リポートしていきます。

館内の様子

モロッコ シャウエンを彷彿する入口がお出迎え

パルコ吉祥寺地下2階につくと、青いネオンの矢印がご案内してくれます。

矢印に沿って左に曲がると、まるでモロッコの青の街シャウエンにきてしまったかのような青い廊下がお出迎えします。アップリンクといえば、「青」だ!初期の初期に、デレク・ジャーマンの全編青画面映画『BLUE』を配給している。アップリンクの歴史を感じさせる、群青色の世界が、我々映画ファンを誘います。

チケット発券機

青の間を抜けると、チケットカウンターが現れます。当日券を買う発券機と、Web予約したチケットを発券するマシーンがあります。

ミニシアターのチケット発券システムは、ほとんど(株)コアシステムのソリューション

を採用している。ブンブンの記憶が正しければ、アップリンク渋谷もかつては、コアシステムのソリューションを使用していたのですが、今回アップリンク独自の発券システムが導入されました。しかし、アップリンクではオリジナルのシステムが導入されています。これにより、暗証番号が7桁から4桁に変わりました。意外とコアシステムの発券システムは、暗証番号が長く、またあまり映画館に来ない人にとっては、操作が分かりにくいこともあり渋滞の原因となっている(シネマカリテやシネマート新宿でチケット発券が原因の渋滞が多発しています)。今回、アップリンクが搭載したシステムは、いきなり暗証番号と電話番号を入力するだけで済むので、非常に簡単だ。この日は故障でできなかったのですが、QRコード発券もできます。


↑上記で「ブンブンの記憶が正しければ、アップリンク渋谷もかつては、コアシステムのソリューションを使用していたのですが、今回アップリンク独自の発券システムが導入されました。」と書きましたが、ブログ投稿後すぐに浅井さんから連絡がありました。情報有難うございます。

お洒落なコンセッション

見てください!なんてお洒落なカウンターでしょう。ここはコンセッション。ポップコーンやドリンクなどが注文できるところだ。アップリンク渋谷の時から試行錯誤されてきた、BARと映画館のマリアージュの結晶がここにあります。大手シネコンにはないようなアルコールの充実さに、「これは何か飲みながら映画でも観ようかしら」と思わずにはいられない。一般的に、コアな映画ファンは映画館のコンセッションは利用しないと言われていますが、「映画館」が経験価値を提供する場だとしっかり理解し、コンセッションから経験価値を付加させていくことで、コアな映画ファンも自ずと何か注文するようになる。浅井隆の徹底したエンターテイメント精神が伺えます。

ブンブン、この日はクラフットコーラ(伊良コーラ)を頼んでみました(550円)。コーラの語源は「コラの木」という植物に由来する。伊良コーラは、100年前から伝わるレシピを基に、生のコーラナッツや、カルモルダン、ナツメグなど10種類以上のスパイスを配合して作られたもの。それだけに、コカコーラやペプシと我々の良く知るコーラとは全く違うテイストが味わえます。

言うならば、コーラとジンジャーエールのマリアージュといった感じ。コーラの爽やかさに、生姜を思わせるスパイシーさが付加されており、オレンジピールのようなツブツブが、舌を楽しませてくれます。スペシャルな味覚体験が、映画体験を盛り上げてくれます。

充実したチラシ置き場

映画ファンの悩み、それはチラシコーナーの渋滞にあります。意外と映画館サイドは気にしていないかもしれませんが、チラシコーナーって結構渋滞するもの。アップリンク吉祥寺では、渋谷時代に悩みの種だった上映待ちのお客さんによる混雑を改善するために20m近い待合廊下が設けられているのですが、そこにながーーーーいチラシブースを備え付けました。

また、これはココマルシアターから学んだのだろうか、現在上映中の作品のチラシも備え付けられています。ブンブンがTOHOシネマズで働いていた頃、公開中の作品のチラシは取り除くよう躾けられました。また、公開中の作品のチラシをお客さんが求めても、絶対に渡すなと言われました。と言うのも、公開中のチラシを配ってしまうと、パンフレットが売れなくなるのだそう。ブンブンはその発想に、「別に置いていてもいいんじゃないの?」とずっと思っていた。買う奴は買うし、買わない奴は買わないんだから。アップリンク吉祥寺では、『カメラを止めるな!

』を始め、現在公開中の作品チラシも配置されていました。これは映画ファンにとってありがたいぞ!

シネコンでは味わえない買い物体験

アップリンクといえば、他の映画館にないものが置いてあるグッズコーナー!大きな本屋に行ってもないようなマニアックな本やアクセサリーなどが販売されており、毎回行くたびにウキウキさせられるコーナーだ。吉祥寺にもその文化は受け継がれていました。デレク・ジャーマンの『BLUE』をモチーフにした洋服や、ネクタイなどが販売されていました。

ブンブンは、この日『吉祥寺バウスシアター 映画から船出舌映画館』という本を購入しました。

スクリーン3に入ってみた

本当は、12/13(木)のオープニング記念パーティーに招待されていたので、全スクリーン紹介記事を作りたかったのですが、ブンブンもサラリーマン。どうしても終わらせないといけない仕事が舞い込んできてしまい泣く泣く断念してしまいました(浅井さん、申し訳ありません…)。アップリンク吉祥寺はスクリーンごとに紹介したかったのですが、それは吉祥寺ファンページさんの「新映画館「アップリンク吉祥寺」一足先に行ってきたので最速レポート!

」にお任せするとしよう。

一応、今回エル・ファニング新作『メアリーの総て』をスクリーン3で観てきたので、そこだけ紹介します。スクリーン3に入ると、真っ赤なシートがお出迎えしてくれます。また、アップリンク渋谷にはなかった高低差と奥行きがあります。先述の通り、ブンブンの周りの映画ファンはあまりアップリンク渋谷が好きではありません。皆口を揃えて、「自宅と観ているのと変わらない」と言います。確かに、椅子と空間は、友達の家で映画を観ている感覚なので、「映画館は特別な場所」という意識が強い人ほどそう感じるかもしれない。そんな否定派の声を吉祥寺は拾う。徹底的に空間づくりに拘り、高低差をつけ、各スクリーンそれぞれ異なる映画体験を与える。そして音響は、全体にクリアで美しいサウンドが広がるように作られている。小さい箱だからこそ、ライブハウスを意識した音のコントロールを施しているのだ。

ただ、最初行く人はここに気をつけたほうが良いです。それは「扉」ライブハウスのように堅牢な扉になっており、開け方が少し独特(レバーを回し下げる必要がある)なので、映画のエンドロールで出る方は特に気をつけないと出口で立ち往生して、他の鑑賞者に迷惑となってしまいます。

チケット予約システム

さて、アップリンクのチケット発券システムが(株)コアシステムのソリューションではないとのことなので実際に使ってみました。他のサイトとは仕様が結構異なるので語っていきます。

まず、アップリンク吉祥寺

のサイトへ飛びます。そして、上映ページから観たい作品を時間帯の中から選びます。

すると、座席選択画面が表示されますが、この時点では座席をクリックしても押せません。

右上の「無料会員」ボタンを押しましょう。また、このページで注意して頂きたいのは、ユーザー環境次第なのだろうか、戻るボタンを押しても映画選択画面に戻れません(ブンブンiPhone6でやりました)。バグだと思われるので、もし前のページに戻りたいようでしたら、暫くは最初からやり直さないといけません。


↑浅井さんから教えて頂きました。開いているページの下までスクロールして「このウィンドウを閉じる」をクリックすることで閲覧ページに戻れます。

「無料会員」のページに飛ぶと、次のようなことが書かれていました。

オンライン予約をご利用いただくには、登録が必要です。また、オンライン予約の決済はクレジットカードにて行っておりますので、お手元にクレジットカードをご用意のうえ、ご利用下さい。

他の映画館とは違い、アップリンクでは(渋谷も同様)、会員限定サービスとして予約発券が位置付けられているとのこと。ちょっと、一見さんお断りな感じがあるのだが、既存の映画ファン、アップリンクファンの映画館に足を運ぶ回数を増やす経営戦略としてはアリなのかな。経営のことはわからないのでなんとも言えないのですが、ブンブンにはここに他の劇場との優位点が見出せませんでした。

会員登録し、ログインすると、座席が選択できます。

とは言え、(株)コアシステムと比べて良かったところもある。それは座席選択画面で、座席とスクリーン配置が忠実に再現されていたことにあります。新宿シネマカリテのように、スクリーン中央を選択したつもりが、左寄りの座席になっていた!という悲劇が回避されます(無論、シネマカリテの映画館構造に問題あるのだが…)。

映画館はしごの所要時間表

↑クリックすると拡大するよ

ところで吉祥寺が映画の町だということはご存知だろうか?「えっ映画館ないじゃん」って思いの方、それは勘違いです。確かにTOHOシネマズ、イオンシネマみたいなシネコンはありませんが、吉祥寺には現在4件もの映画館があるのです。アップリンク吉祥寺の他に、ココロヲ・動かす・映画館○(ココマルシアター)、吉祥寺プラザ、吉祥寺オデヲンが存在します。だから、映画と映画のハシゴがしやすい環境になっています。そこで、各映画館の所要時間を計測しまし、表にまとめました。参考にどうぞ

↑クリックすると拡大します

最後に…

アップリンク吉祥寺は、単にアップリンク渋谷をコピー&ペーストした施設ではありませんでした。かつて、吉祥寺の文化を盛り上げていたバウスシアターの血を継ぎ、映画好きが何度も通いたくなるような施設となっていました。ここ数年NetflixやHuluといったVODが流行っており、映画ファンですら中々映画館に足を運ばなくなってきました。ただ、映画館は映画館なりの戦い方があります。VOD時代にはなったが、最近映画ファンの間で話題になるのが、自宅で観るとどうしてもスマホをいじってしまうということ。スマホという麻薬が映画の経験価値を下げてしまう。そこで映画館が大切になってくるわけです。不特定多数の人と、スマホの電源をオフにして2時間映画と向き合う。それも最高の音響とスクリーンで。そう考えると、アップリンク渋谷は今の時代に即した映画館だと言えるし、アップリンク吉祥寺は映画館らしさを求める映画ファンのニーズを叶える。互いに差別化を計ることで、アップリンクのファンを増やすことができる。まさに第二のバウスシアターと言えることでしょう。

また、第二のバウスシアターを目指して、現在難航中のココマルシアターにも良い刺激になることでしょう。ここ数年、渋谷同様吉祥寺から文化の香りが消えているなと感じていただけに、これは最高の希望の光だと思い応援していきます。

次は、高校時代の親友と『バンコクナイツ

』(見逃した映画特集Five Yearで上映)でも観に行くとしよう♪

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