【アラン・ロブ=グリエ レトロスペクティブ】『ヨーロッパ横断特急』L’homme qui est mort quatre fois

ヨーロッパ横断特急(1966)
Trans-Europ-Express

監督:アラン・ロブ=グリエ
出演:ジャン=ルイ・トランティニャン、マリー=フランス・ピジェ、クリスチャン・バルビエールetc

評価:25点

渋谷イメージフォーラムで開催中のアラン・ロブ=グリエ レトロスペクティブに行って来ました。

『ヨーロッパ横断特急』あらすじ

列車に乗る男二人、女一人は車窓から見える人々の姿から物語を考える。パリからアントワープへと麻薬を運ぶ男の話として、麻痺種紆余曲折ありながら物語が紡がれて行くのであった…

L’homme qui est mort quatre fois(男は4度死ぬ)

アラン・ロブ=グリエ特集。1本目に観た『囚われの女』がブンブン苦手なベクトルでビザールだった為嫌な予感していたが、こちらも合わなかった。

男がキオスクで雑誌レクスプレスを買う。そこにチラリと見える”L’homme qui est mort quatre fois(男は4度死ぬ)”の文字。そして、列車に乗る二人の男と一人の女の妄想犯罪ドラマに合わせ、一人の男のカバン運びが始まるという話。ヌーヴェルヴァーグはお洒落難解映画のイメージが強いが、元々はハリウッドの犯罪映画に対する羨望に溢れた映画群が軸にあったことを思い出させてくれる。そして、明らかに『007』に対抗した素振りを魅せる。そう、この作品は『007は二度死ぬ』の1年前にフライングで公開されたもう一つのボンド映画だった!

しかし、『去年マリエンバードで』『囚われの女』と、人々の記憶の惑いに取り憑かれたロブ=グリエが手がけているので、くどくたるかったりする。本作は当然ながら、麻薬や拳銃、カバンなんかに意味はない。なんなら、敵なんかもどうでもいい。ブツを運ぶプロセスに意味を見出している。

3人の男女のディスカッションにより即興的に物語が構成される。モノは消えたり現れたり、死んだと思った人が突然復活したりする。サイレント映画時代に『ファントマ』が、連続活劇として物語を無理に持続させる為に、めまぐるしく人物配置を変える手法に酷似している。

詰まる所、ロブ=グリエは通俗な連続活劇や娯楽映画に、自身の得意とする思考実験の要素を添えたといえよう。

まあ、理論としては面白いが、映画としてはねぇ、、、

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