【第31回東京国際映画祭】10/13,14チケット争奪戦開始TIFFで観たい作品8選!
今年も東京国際映画祭のシーズンがやってきました。今年は10/25(木)~11/3(土)の期間で開催されます。昨日、そんな東京国際映画祭のラインナップが発表されました。ってことで今年も注目作品を語っていきます。
もくじ
ROMA/ローマ(ROMA)
監督:アルフォンソ・キュアロン出演:ヤリャッツァ・アパリシオ、マリーナ・デ・タビラ、
マルコ・グラetc
今回、最大の目玉はヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞したアルフォンソ・キュアロン(『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』『ゼロ・グラビティ』etc)の自伝的作品『ROMA/ローマ』。本作はNetflixオリジナル作品で、日本配信が12月に決まっているため、日本での劇場公開は絶望的。しかしながら、本作は予告編を観ると分かる通り明らかに映画館で観るのに適した作品だ。ラヴ・ディアスの作品同様、自宅でVODやDVDで観てもあまり意味のないように見える。ネット配信で観るか、大スクリーンで観られる唯一の機会を逃さないか苦渋の決断が迫られる。ちなみに本作はアカデミー賞外国語映画賞メキシコ代表に選出。『万引き家族
』から賞をガチで奪う気満々だ(真面目に来年のアカデミー賞外国語映画賞を本作が獲る未来しか見えない…)。
われらの時代(Our Time)
監督:カルロス・レイガダス出演:カルロス・レイガダスetc
映画祭特化ブログ《海から始まる!?》から完成する気がしないと言われたメキシコの鬼才:カルロス・レイガダスの作品が爆誕!なんと3時間のバケモノ難解映画としてヴェネチアにも出品されました。東京国際映画祭の作品選定ディレクター矢田部吉彦がレイダガス映画のファンということもあり、今回もやってきました。レイガダス映画は9割の観客をフラストレーションの渦に包む一方、矢田部吉彦やマーティン・スコセッシのように一部の人には刺さって心から離れない経験を与える。既に海外ではボロクソ叩かれているが、勇気のあるシネフィルは是非…
それぞれの道のり(LAKBAYAN)
監督:ブリランテ・メンドーサ、ラヴ・ディアス、Kidlat TAHIMIK
出演:Joem Bascon,Nanding Josef,Bart Guingona etc
なんと珍しくラヴ・ディアスにしては短い映画。現代フィリピン映画を代表する3人の監督がフィリピン北部のルソン島、南部のミンダナオ島、中部のヴィサヤス島を舞台にショートフィルムを撮った。本作はオムニバス形式でフィリピン史を描いた作品。ラヴ・ディアス、ブリランテ・メンドーサ好きには気になる作品だ。
彼ら(Loro)
監督:パオロ・ソレンティーノ出演:Toni Servillo
イタリアの鬼才にして、フェデリコ・フェリーニたる世界観を継ぐ監督パオロ・ソレンティーノ最新作。今回はベルルスコーニ元首相について151分かけて描く!ソレンティーノの美的センスは大好きなのだが、本作、カンヌにもヴェネチアにも見捨てられた作品である。ひょっとしたら駄作なのではと不安。ソレンティーノの美的センスゴリ押しは長尺に耐えうるのか…??
悪魔の季節(Season of the Devil)
監督:ラヴ・ディアス出演:ピオロ・パスカル、シャイーナ・マグダヤオ、
ピンキー・アマドアetc
毎年1本以上、しかも大体上映時間が4時間を超えてくるフィリピンの怪物監督ラヴ・ディアスのロックオペラがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!『立ち去った女
』が奇跡的に世界規模で日本劇場公開&DVD化したのだが、基本的にラヴ・ディアスの作品は映画祭で見逃したら一発アウトなものだ。最近ハードコアシネフィル向けVODサイトMUBIがラヴ・ディアスの作品を積極配信しているが、彼の作品はそもそもお家で観るものではない。映画館で、周りのシネフィルたちと闘いながら観ないと集中力が持たない仕様になっています。なので、時間があれば本祭一番に優先した方がいい作品だ。
ブラ物語(The Bra)
監督:ファイト・ヘルマー
出演:ミキ・マノイロヴィッチ、パス・ヴェガ、
チュルパン・ハマートヴァetc
この邦題最高すぎかよ!原題も”The Bra”というど直球すぎるアゼルバイジャン映画。王子様はガラスの靴ではなくブラジャーを持って姫を探す。車体に引っかかったブラジャーの持ち主を探す機関士の話と聞いて、スルーできる映画ファンはいるだろうか?今年はあまり観たい作品がないなーと思っていたが、ストーリーをしっかり読むと観たい作品は案外出て来るものです。
テルアビブ・オン・ファイア(Tel Aviv on Fire)
監督:サメフ・ゾアビ出演:カイス・ナーシェフ、ルブナ・アザバル、
ヤニブ・ビトンetc
パレスチナ人ADがイスラエル検問官から脚本の着想を得る話。ここ数年、レバノンやイスラエル、パレスチナの映画のレベルがドンドン上がってきている気がする。それこそ『判決、ふたつの希望
』のように社会派ドラマに絶妙なユーモアを入れ、物語のメリハリもあったりする。今年の東京国際映画祭では、イスラエル映画の現在2018と称してイスラエル映画に力を入れているということで本作は注目の一本だ。
輝ける日々に(Go-Go Sisters)
監督:グエン・クアン・ズン出演:ホン・アィン、タィン・ハン、ミ・ウエンetc
韓国の傑作青春映画『サニー 永遠の仲間たち』はベトナムでもリメイクされていた!!強い気持ち・強い愛で観に行った原作ファンを奈落の底に落とした日本版ではありますが、ベトナムではどのように加工されているのでしょうか?ブンブンに本作を観る元気は残されていないが、実はメチャクチャ気になっている。時間があれば、強い気持ちを持って臨みたい。
最後に…
いかがでしたでしょうか?ラインナップ発表直前DIAMOND ONLINEで《日本映画が国際評価で韓国映画の後塵を拝している理由
》というネガティブな内容の記事がアップされ、不穏な空気が流れていたが今年はここ数年の東京国際映画祭のラインナップと比べても微妙な気がしました。多くの作品が釜山国際映画祭で上映されており、どうしてもおこぼれ感が強い。
その癖、『ファースト・マン』や『Happy as Lazzaro』、『COLD WAR』、『HIGH LIFE』といった作品は次々と、取り逃がしている。なんといっても昨年と比べ、ワールド・フォーカス部門の作品数が23本から15本に減っているのが辛いところ(しかもアジアの未来部門があるにも関わらず、アジア映画がカザフスタン映画を除いても5本入っている。そのうち『十年 Ten Years Thailand』、『家族のレシピ』は日本との合作だし、『十年 Ten Years Thailand』と『それぞれの道のり』は抱き合わせ商法のようなオムニバスだし…)。
ではアジア映画に力を入れているのかと言えば、釜山でも呼び寄せることができなかった新鋭ビー・ガンの注目作『Long Day’s Journey into Nigh』や、東京国際映画祭で積極的に上映しているホン・サンス映画(釜山では新作『GRASS』が上映)、『きっと、うまくいく』『PK』のラージクマール・ヒラーニ新作『Sanju』などももってこれなかった。まあ、これはブンブンの残念だなぁという想い、主観が強くなってしまっているのだがかなりダメダメなのでは?
それにしても矢田部吉彦が好評していたケニアのレズビアン映画『RAFIKI』や、東京国際映画祭に『馬々と人間たち』を紹介し、彼の想い入れの監督でもあるベネディクト・エルリングソンの新作『Woman at War』が来ていないのは衝撃的でした(何気にホン・サンスの『GRASS』もいない…)。映画祭って、映画監督を育成する場。確かに東京国際映画祭は今泉力哉や武正晴といった監督を育ててはいるものの、外国人監督はあまりパッとしない。折角、ベネディクト・エルリングソンが世界的にも評価されて来ているのだから、ここは招待でもして、東京国際映画祭の実力、先見の明をしっかり提示した方がいいのではと思う。
また、Webサイトのインターフェースも昨年に比べると使いづらく、スマホとPCのweb画面サイズの切り替えができておらず、スマホからだと画面がはみ出てしまう問題点がある。
ちょっと愚痴が過ぎましたが、なんかちょっぴり残念だなぁ…と思いました。ただ、拾い物に福アリ!意外な傑作に出会えるかもしれないので、今年も全力で楽しんでいこうと思います。
スケジュール
・9/20(木) 12:00~10/2(火) 15:00:メルマガ会員向け抽選販売
(『アリー/スター誕生』、『GODZILLA 星を喰う者』、アウォード・セレモニー&東京グランプリ受賞作品上映の抽選販売※TIFFメールマガジン会員向け)
・9/26(水) 12:00~10/2(火) 13:00:先行抽選販売
(『アリー/スター誕生』、『人魚の眠る家』、『GODZILLA 星を喰う者』、『PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.1 罪と罰 & Case.2 First Guardian』、『KING OF PRISM -PRIDE the HERO- THUNDER STORM SESSION DJ Party!!! Presented by DJ KOO』が対象)
・10/1(月):全上映スケジュール発表
・10/13(土):一般販売(第一陣※部門別販売)
→12:00~:アジアの未来、CROSSCUT ASIA、アジア三面鏡、企画上映
→16:00~:コンペティション、Japan Now、日本映画クラシックス、TIFFマスタークラス、TIFFプラス
・10/14(日):一般販売(第二陣※部門別販売)
→12:00~:日本映画スプラッシュ、ワールド・フォーカス、ユース
→16:00~:特別招待作品、アウォード・セレモニー+東京グランプリ受賞作品上映、特別上映の作品
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