【後半ネタバレあり】『クワイエット・プレイス』マイケル・ベイ、アカデミー賞の舞台に立てるか?

クワイエット・プレイス(2018)
A Quiet Place(2018)

監督:ジョン・クラシンスキー
出演:エミリー・ブラント、ジョン・クラシンスキー、
ミリセント・シモンズetc

評価:75点

アメリカで大ヒットしているホラー映画がある。

その名も『クワイエット・プレイス』だ。

「音を出したら即死」という設定が話題を呼び、オープニング興行収入は『ドント・ブリーズ

』や『ゲット・アウト

』を超える5000万ドルを超えた。また本作は、批評家評も良く、Rotten Tomatoesでは95%(2018/08/18時点)を獲得した。

来年のアカデミー賞では、《優れた業績を上げた人気の映画のための新部門(a new category for outstanding achievement in popular film)》が設立されることから、『トランス・フォーマー』シリーズですっかりラジー賞常連監督となってしまったマイケル・ベイが珍しくアカデミー賞の舞台に立てる可能性(彼は本作の製作に携わっている)が出てきている。

日本でも、先日町山智浩がラジオで紹介し公開前から話題となっている。そんな『クワイエット・プレイス』は9/28(金)TOHOシネマズ他にて公開されるのだが、今回、AIR CANADAの機内エンターテイメントで一足早く観ることができました。

前半は、Filmarksに書いたものに少し加筆したネタバレなし評。後半に、本作の重要なポイントについてネタバレありで語っていきます。未見の方は、映画を観てから後半を読んできださい。

『クワイエット・プレイス』あらすじ

どこかしらから、ある存在が地球を支配した。音を立てたら、颯爽と人々を殺すその存在によって人類は絶滅の危機に瀕してしまう。そんな中、ある一家は懸命に生きる。本作は、そんなファミリーのドキュメントである…

決してポップコーンを買ってはいけない、、、

正直、『クローバーフィールド』や『パラノーマル・アクティビティ』同様、口コミ戦に勝利しただけ感が強く、『カメラを止めるな!

』に比べると脚本演出面で惜しいところが多い作品。しかしながら、アイデアを120%活かしたホラー描写に痺れまくった。マジで怖いです。ただ、本作は何も知らずに観た方がいいのでここでは鑑賞のアドバイスだけします。

そのアドバイスはというと…

「決してポップコーンを買ってはいけない」

本作は「音を出したら即死」という設定がうりなので、サイレント映画さながらの静かな作品です。はっきり言って、ポップコーンを食う時間はありません。しかも、恐らくポップコーンの音を劇場に響かせたら、ブチ切れる人が出てくるはず。なので、劇場で観る際は、何も買わずに鑑賞すること強くオススメします。

字幕に関する問題

町山智浩が、「台詞10個くらいしかないから、是非俺に任せてくれ!1日で終わらせるよ」と言っていた。確かに声による台詞は10個くらいしかないのだが、実は手話でかなり話しています。本作の最大の見所は、東和ピクチャーズがいかに字幕翻訳と向き合ったかだ!

敢えて、手話パートをNo字幕でいくか、それとも訳すか?会社の哲学が問われます。ちなみに、本作は元々、手話の部分を字幕なしで演出する予定だった。しかしながら、終盤のある場面において、手話で重要なことを喋らせており、字幕なしだとわかりにくいといういうことで、手話パートには全て字幕がついた。つまり、監督は元々、手話部分に字幕をつけないで上映しようとしていたのだ。実際に観てみると、別に問題の部分、字幕がなくても十分理解できる。寧ろ、この手のホラーは謎をある程度残しておくことで鑑賞後に語りたくなる作品となる。故に個人的には、手話パートには字幕が要らないと思っている。つまり、本作の字幕には他の作品以上にエンターテイメントとしての哲学が問われる。なので中途半端に翻訳することだけはやめてほしい。

では、次のページからネタバレありで本作の魅力について語っていく。

→NEXT:※ネタバレ解説 劇中歌に隠された意味とは?etc

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