【キューバ映画特集】『セブン・デイズ・イン・ハバナ』実はベニチオ・デル・トロ監督デビュー作

セブン・デイズ・イン・ハバナ(2012)
7 DIAS EN LA HAVANA(2012)

監督:ベニチオ・デル・トロ、パブロ・トラペロ、
フリオ・メデム、エリア・スレイマン、
ギャスパー・ノエ、フアン・カルロス・タビオ、
ローラン・カンテetc
出演:ジョシュ・ハッチャーソン、ウラジミール・クルス、
デイジー・グラナドス、オテロ・レンソリ、
エミール・クストリッツァ、
アレクサンダー・アブレウ、ダニエル・ブリュールetc

評価:50点

今日から5日間、夏季休暇でキューバに行ってきます。キューバといえば、チェ・ゲバラが革命に勤しんだ舞台。私のペンネーム《チェ・ブンブン》の由来も彼にあります。社会人になり金も溜まったので、彼の残像を追ってキューバに行きます。ただ、現地はほとんどWi-Fiが発達しておらず、全くブログ更新ができないとのことなので、代わりにキューバ映画の記事を予約投稿で連投していきます。

『セブン・デイズ・イン・ハバナ』あらすじ

キューバ・ハバナの一週間を7人の監督が撮った作品。

監督荒れ狂うバカンス映画

キューバ映画を観ようとNetflix探したらこんな映画と巡り合った。オムニバスは感想書くのが面倒なので最近敬遠していたが、監督ラインナップを観て驚愕し、今回キューバ映画特集一作目に本作を選んだ。

1.ベニチオ・デル・トロ
2.パブロ・トラペロ
3.フリオ・メデム
4.エリア・スレイマン
5.ギャスパー・ノエ
6.フアン・カルロス・タビオ
7.ローラン・カンテ

大御所揃いではありませんか!しかも1話目はベニチオ・デル・トロ監督デビュー作。さりげなくギャスパー・ノエ(どういう人選だw)までいるではありませんか。

実際に観てみる。各監督が、曜日毎に1〜20分程度の短編を繰り広げ、キューバ・ハバナの日常を切り出すという内容なのだが、企画もの故か、やる気なさげ、いや違う。金とカメラを渡されたから観光ついでにサラッと撮ろうというラフさで映画が撮られているのだ。

エル・クラン

』のパブロ・トラペロ担当「火曜日」では、酒に酔っ払ったエミール・クストリッツァ(『アンダーグラウンド』のあの監督)が、ハバナの映画祭で賞を受け取りパーティに行く話なのだが、終始「パーティ、だりぃ」としか言ってない。

イスラエルのエリア・スレイマン担当「木曜日」では、彼が取材でハバナに来る設定なのだが、ホテルを右往左往しているばかり。

んで、問題のギャスパー・ノエは、金曜日の夜に水に出入りする女のおっぱいしか撮っていない。確かに、金曜日はお祭騒ぎとは言え、ふざけ過ぎでしょ。大草原不可避だ。

一応、水・土・日は真面目なパートだ。現地の生活を切り取ろうとしたり、映画を作ろうとしている。

特に『苺とチョコレート』で有名なキューバ映画界の巨匠フアン・カルロス・タビオは、外国人が知らないキューバの買い物事情を濃く描いた。物資が不足するなか、如何に物を調達するのかを描き、最後に日曜日パートであるローラン・カンテへバトンを渡す。

個人的に心を鷲掴みにされたのは、ベニチオ・デル・トロの月曜日パート。これは2ヶ月後の私を観ているかのようだ。初監督にして、完璧な観光映画を創り上げた。

ハバナに到着した青年は、銀行で兌換ペソに両替する。アメリカドルはレートが悪く、全然兌換ペソに交換できなくてちょっとがっかり。送迎車のあんちゃんは、「あのホワイトハウスは、レプリカだがアメリカのより2cm高いんだぜ!」「下手な英語だが、アミーゴはアミーゴしくよろ!」と陽気に話しかけてくるのだ。キューバに行く者としてテンションが上がらないわけがない。

そして、ベニチオ・デル・トロはとてつもないクールなシーンを挟む。宿に着くと、ボインなねぇちゃんが、尻を突き出して、「外行こう!」という。ついて行こうとすると、「200ペソだからね」とケータイに入った胸の写真を見せつけながら言う。売春だったのだ。金は足りないし、別に売春する気はないし、、、と拒絶する青年は勢いあまって、彼女のケータイを落としてしまう。階段上から落ちたケータイは見事お婆ちゃんの卵の入った鍋にホールインワン。お婆ちゃんは「あんた、売春やっとんの!」とブチ切れて口論が始まる。

このシークエンスだけでも、本作は観る価値がある。他にも魅力的なシーンがあるが、それは映画を観てのお楽しみ。

まあ、映画全体としては可もなく不可もないのだが、キューバ旅行する人はマストウォッチ。旅行までウキウキさせてくれる作品でした。

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