【酷評】『BLEACH』映画学校の学生必見!ダメダメ脚本の優等生!

BLEACH(2018)

監督:佐藤信介
出演:福士蒼汰、杉咲花、早乙女太一、
雅-miyavi-、長澤まさみ、江口洋介etc

評価:40点

最近、レア旧作ばかり観ていて、夏のブロックバスター映画を観られていない。これは、あまり宜しくないと、明らかに地雷な本作を観に行った。本作は週刊少年ジャンプに掲載されていた久保帯人の同名漫画の映画化だ。ブンブンは原作を未読。果たして…

『BLEACH』あらすじ

黒崎一護、高校生。母の死後、幽霊が見える能力を宿していた。そんなある日、自分の部屋に和装をした女が侵入していることに気づく。そしてそのまま、悪霊・虚(ホロウ)との死闘に巻き込まれる。かくして死神代行に任命されてしまった彼は、その謎の女ルキアと共に死神代行業に携わるのだが…

全編説明ゼリフ!井筒和幸映画名脚本家作品だよね?

本作は、面白いことに、ダメダメ脚本として100点満点。映画学校の脚本の授業で使えるレベルに素晴らしいケースを魅せてくれた。

脚本というのは、如何に説明しないか。そこに命を注ぐもの。今回は、今や漫画アクション映画担当の佐藤信介と、『ヒーローショー』『パッチギ!』など井筒和幸監督の作品を中心に携わり、『フラガール』という傑作も生み出した名脚本家の羽原大介が担当している。どちらも、脚本のイロハはもちろん、どうすれば映画が面白くなるのかを分かっているはずの人だ。

しかしながら、本作は奇跡的なことに、全てが説明台詞で展開される。物語前半、虚(ホロウ)に急襲される場面。黒崎一護は、観客同様困惑だ。突然現れた女、目の前の怪物に「何?」と叫びたくなるだろう。そして、怪物・虚(ホロウ)が迫り来る中、謎の女がA to Z状況を説明し始める。セルジオ・レオーネだったら、そんな長々と語っている間に一撃必殺この演説女を消し去っていたことでしょう。

この映画は、観客が「何?」と思ったことに対し、黒崎一護が代弁し、それにキャラクターが答える質疑応答映画なのだ。なんで親切設計なんでしょう。ただ、その異様なまでの親切設計故、全く映画としての驚き、ハラハラドキドキとしたものが失われてしまった。

黒崎一護の後ろに座る彼は誰?死神かい?

また、この作品の脚本は致命的な程にキャラクター、特にクラスメイトが死んでいる。黒崎一護の周りに座っている友だちは、霊と同レベルな程空気。別にいなくても物語が成り立ってしまうのだ。ただ、滑稽なのは、黒崎一護の後ろに座っている暗そうな生徒・茶渡泰虎が、あまりに酷い演技なのに黒崎一護の物語に全力で入り込もうとしていて、異様な空間、死神目線の世界に引けを取らない魔空間を作り上げてしまっているのだ。

そんな彼を演じた小柳友、、、『The Room

』のトミー・ウィソー並みに酷いぞ!原作未読の私には、ホロウなんかどうでも良くなり、彼にばかり注目してしまった。ちなみに、調べてみたら、彼は後に霊圧を高め、死神や虚(ホロウ)と戦うらしいよ!

アクションは面白い!

まあ、こうも酷い脚本なのだが、流石は佐藤信介監督。殺陣の演出、モンスター描写に関しては文句なし大満足なクオリティ。そこら辺の時代劇なんか、瞬殺レベルに切れ味抜群な《斬る》。ルキアとの特訓シーンの、静と動にメリハリをつけたアクションは燃えるものがある。そしてボスキャラ、グランドフィッシャーの造形には拍手したくなりました。

佐藤信介監督は、今や最もハリウッド大作に負けないアクションを撮れる監督。『いぬやしき

』、『BLEACH』では、物語が弱かった。しかし、あと10年頑張ったら、『アベンジャーズ』顔負けのアクションもストーリーも良い傑作を生み出せるに違いない。

個人的にはこれからも応援したいぞ!

おまけ:福士蒼汰、はじめしゃちょーに激似!

黒崎一護役の福士蒼汰が、youtuberのはじめしゃちょーにしか見えず大草原不可避でしたww

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