【ブンブンシネマランキング2017】新作邦画部門第1位は『バンコクナイツ』空族イカしているぜ!

2017年ブンブン映画ベストテン
(新作邦画編)

今年は邦画不作年、いや私の引きが悪く、ベストテンを作るのが大変な程傑作に出会えなかった。それこそ『南瓜とマヨネーズ』『幼な子われらに生まれ』『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』などといった作品を観られていない状況です。なので、今年の新作邦画ベストテンはかなり歪なものとなりました。

※青下線をクリックすると各作品のレビューが観られます。

10.未成年だけどコドモじゃない(2017)

鑑賞環境:TOHOシネマズ渋谷
監督:英勤

まさかのハイローを超える傑作だった。英勉の癖のあるギャグのマシマシてんこ盛りが良い方向に炸裂。個人的に苦手だった平祐奈を、リミッター解除させたギャグ演技で2時間描くことで、段々と女優として好感を抱く。また、あえてディズニー映画やジャック・ドゥミのおとぎ話映画に闘いを挑み、妥協することないミュージカルシーンに挑戦し、尚且つ上手くいっているところもこれまた好きなポイント。

二時間、飽きることなく腹筋崩壊級のギャグで駆け抜けた本作を私は支持します。(ハイローはアクションこそ凄いが、中だるみが結構会あったので、11位に降格)

9.奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール(2017)

鑑賞環境:TOHOシネマズ渋谷
監督:大根仁

この映画を職場で良かったよ!と言ったら、「え~ホントウ~」と言われてしまったが、ホントウです。大根仁は『モテキ』もそうだがキャッチーでサブカルサブカルした出オチ映画でもトンデモない傑作を放つホームランバッター。本作では束縛男ができる過程を非常に生々しくAtoZ語ってくれる。そしてなんと言っても水原希子扮する狂わせるガールは、ブンブンの身近にいる人を連想するほどホンモノの狂わせるガールであった。明らかに危ない女なのは分かるのだが、一旦心を許すと虜になってしまうあの感じを水原希子が見事に演じた。「アルフィー」という映画に共感した記憶がある私にとって、この狂わせるガールはフラストレーションが溜まると共に合理的で非常に共感できるところも多いので大切な一本になりました。

8.ナオト・インティライミ冒険記 旅歌ダイアリー2 前編(2017)

鑑賞環境:TOHOシネマズららぽーと横浜
監督:加藤肇

この映画をベストテンに挙げる人はほとんどいないだろう。観ている人もナオト・インティライミファン以外ではまずいないだろう。ただ、この映画は傑作だ。ナオト・インティライミという一人のミュージシャンが前作から成長し、本当に「音楽」という言語で奇跡を起こしていく。降りかかる死の恐怖を乗り越え、現地の音楽を覚え、そして挑むセッション。フランスに留学していた私にとって妙な懐かしさを覚えました。海外いきてーーーーー!

7.退屈な日々にさようならを(2016)

鑑賞環境:K’sシネマ
監督:今泉力哉

グザヴィエ・ドランに観て欲しい映画。『たかが世界の終わり

』と比べるとこの作品のレベルの高さがよく分かる。夢追い人の映画監督に待ち受けるチクチク痛い展開。それがある日、目覚めたら女の子に囲まれていたというシュールすぎる展開から、観客の予想できない展開へと転がりに転がる。そして次第にパズルのピースが嵌まっていくこの快感!映画を観たぞ!という気分にさせられる一本であった。

6.プールサイドマン(2016)

鑑賞環境:新宿武蔵野館
監督:渡辺紘文

日本が誇る新たな才能渡辺紘文。彼の作る静かでシュールな世界は私を虜にした。一切話さないプールサイドマンと彼に絡むウザイ先輩のやり取りから原題のSNSに対する批判が見えてくる。Face to Faceでは何も言えないが、心の中は饒舌で荒れていて、それをかまわず人にぶつける。それをベルイマンの『仮面/ペルソナ』を彷彿させる手法で描いて魅せた。日本にもベルイマンのような映画を作る監督がいるのかと舌鼓をうちました。

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