カイエ・デュ・シネマベストテン2017発表 1位はなんとテレビドラマ『ツイン・ピークス THE RETURN』

第5位:それから
The Day After

監督:ホン・サンス

カンヌ国際映画祭に出品される度に、カイエ・デュ・シネマぐらいしか絶賛してくれない可哀相、いや作家性が強烈すぎる監督ホン・サンス。今年は『On the Beach at Night Alone』『Claire’s Cinema』そして本作の3本が公開されホン・サンス年であった(日本では総て未公開、もしかしてどっかの映画祭で上映された?)だけにカイエ・デュ・シネマも阿鼻叫喚だったんじゃないだろうか?話は出版社で働く男が自分の元を去った女のことが忘れられず…といった内容。フランスの映画サイトAllo Cineのあらすじを読んだがどんな話になるのか想像もつかない。そう、ホン・サンス映画は観た人にしか分からない世界があるのだ。

第4位:ゲット・アウト
Get Out

監督:ジョーダン・ピール

11月号の表紙を飾っただけに見事に入選。意外とカイエ・デュ・シネマにしては意外なセレクト。ホラーに見せかけて抱腹絶倒なこのインディーズホラーは、実は悪夢の演出が凄まじいことでブンブンの心も鷲掴みにした。それにしても、今回上半期ではベストテンに入れる気満々だったジェームズ・グレイ『THE LOST CITY OF Z

』を差し置いて4位の座を仕留めるのは偉業だ。

第3位:ライフ・ゴーズ・オン 彼女たちの選択
Certain Woman

監督:ケリー・ライヒャルト

日本ではまだまだ無名の監督ケリー・ライヒャルトのオムニバス映画。残念ながら日本ではビデオスルーになったが、カイエ・デュ・シネマでは2011年のベストテン第6位に、ライヒャルト監督作である『Meek’s Cutoff』という西部劇を入れており、作家性が認められつつある。
物語はマイリー・メロイの短編小説を映画化であり、2人の女弁護士、新居のことで頭を悩ます女、馬と暮らす女の4人の心の揺らぎを描いたもの。

第2位:ジャネット、ジャンヌ・ダルクの幼年期
JEANNETTE, L’ENFANCE DE JEANNE D’ARC

監督:ブルーノ・デュモン

日本ではアンスティチュフランセですら無視するようになってしまったフランスの鬼才ブルーノ・デュモン。『プティ・カンカン

』『Ma Loute

』で完全にデヴィッド・リンチ的フォースの覚醒を果たした彼が今回、ジャンヌ・ダルクものに挑戦。これは観たい!どうかアンスティチュフランセさんお願いします!有給取って観にいきます。

第1位:ツイン・ピークス THE RETURN
TWIN PEAKS THE RETURN

監督:デヴィッド・リンチ

他の映画誌ができないことをカイエ・デュ・シネマはやってのけた!それはテレビドラマをベスト1位に選んだのだ。日本の映画芸術って雑誌は、ベストテンの選定基準からアニメ映画を外したっていうのに…。ひねくれ映画雑誌のイメージが強いカイエ・デュ・シネマは実はゆるいところがあって、テレビドラマは何度か選んだことがある。2002年のベストテンでは第10位に『24 TWENTY FOUR』を選んでいる、またテレビドラマの総集編である『プティ・カンカン』を2014年のベストテン第1位にしている。ただ、今回のベストテン第1位は事件だ。なんたって、デヴィッド・リンチが『HUNTER×HUNTER』は冨樫義博並に焦らしに焦らしたカルトドラマ『ツイン・ピークス』の最新シリーズなのだから。カイエ・デュ・シネマもそんな『ツイン・ピークス』に魅せられており、1990年代のベストテンの第4位に映画版である『ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の7日間』を挙げているのだ。

やっぱり、カイエ・デュ・シネマの本能的に「誰がなんと言おうともこの映画を推したい」という姿勢は尊敬したい。ってことで今年も大満足楽しませて頂きました。

カイエ・デュ・シネマベストテン2014

カイエ・デュ・シネマベストテン2015

カイエ・デュ・シネマベストテン2016

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