ファンさん(2017)
原題:方繡英
英題:Mrs. Fang
監督:ワン・ビン
出演:ファンさんとその家族
評価:65点
東京フィルメックスに行ってきました。私のお目当は何と言っても王兵(ワン・ビン)の『ファンさん』だ!王兵といえば、基本的に2時間半コースが当たり前で海外のジャーナリストが潜入出来ないディープな中国のアンダーグラウンドを映し出すことで有名だ。ブンブンは昔NHKで9時間中国の廃墟を追った『鉄西区』を観てから、彼の作品に嵌まり、昨年Festival Scopeで観た2時間半も中国の服製造現場を追った『苦い銭
』(日本公開は2018年1月)はその年のベストテンに選んだほどだ。
しかし、今回は90分を切っている。内容はアルツハイマーのおばちゃんが他界するまでの数日。王兵監督にしては、ありきたりなテーマかつ、果たして90分で描ききれるの?と不安でした。
『ファンさん』概要
ロカルノ国際映画祭金豹賞受賞作品。アルツハイマーで亡くなるファンさん最期の数週間をワン・ビンが追ったドキュメンタリー睡魔との闘い
相変わらずガツンとくる一本。そして、王兵映画にしては珍しく寝る損マンデラしてしまった作品でもあった。
いきなり強烈なシーンから開幕。2015年、アルツハイマー歴8年のファンさんが家の中で訳も分からず立っているところから始まる。家族にも無視されているような扱いが映し出される。
そしていきなり、舞台は1年後の2016年に!なんとファンさんは寝たきり植物人間状態になっているではないか!この変わり様に唖然とした。
私の祖父がアルツハイマーで昨年亡くなっただけに尚更、哀しくなった。
ファンさんが危篤になり、ようやく家族が集まる、ダルそうにする者、熱心に介抱する者、山田洋次や小津安二郎映画のような人間ドラマが等身大で迫ってくる。
それを、全く語らないファンの眼は喜怒哀楽走馬灯のように見ている。ファンさんのHPは1。眠ったらこの世とバイバイな状態でファンさんが必死にカメラを家族を凝視する様子はアクション映画のようだった。
と共に、長回しのリズムに睡魔が襲ってきて、ウトウトしてしまいました。寝る損マンデラ!ファンさん、王兵監督すまない(泣
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