愛・アマチュア(1994)
AMATEUR(1994)
監督:ハル・ハートリー
出演:イザベル・ユペール、
マーティン・ドノヴァン、
エリナ・レーヴェンソンetc
評価:70点
ハル・ハートリーDVD-BOXのクラウドファンディングがキックスターターで開催
されている。昨日の「シンプルメン
」に引き続き、今日は現在イケイケな女優イザベル・ユペール出演作「愛・アマチュア」を紹介するぞ!
「愛・アマチュア」あらすじ
ある男がニューヨークの路地裏に倒れている。男は記憶を失っているようだ。カフェにその男が訪れる。彼に興味を持った売れない官能小説作家は、家に招くが…ハル・ハートリー版「過去のない男」
本作を観ると、アキ・カウリスマキの「過去のない男」を思い出す。記憶を失った男の居候日記、とにかくゆるーく、音楽がDOPEでイカしている感じは両者とも共通するところ。しかし、この「愛・アマチュア」は予想外にフィルムノワールだった。イザベル・ユペール扮する官能小説作家が過去のない男を介抱する話と、官能映画女優と組織の話が交差していく。通常フィルムノワールと言えば、暗かったり暑苦しいイメージがあるのだが、ハル・ハートリーはこれをしっとりと描く。組織と金を取引する官能映画女優も、電話でゆすりをする際、メチャクチャびびっていて、そのコミカルさににやりとさせられる。そして、一見関係ないような二つの話が絶妙に絡み合っていくアンサンブルは観ていて心地よい!
「エル ELLE」の原型、イザベル・ユペールの将来ここにあり
本作を観て思ったのは、イザベル・ユペールの醸し出すヤバイ雰囲気が「エル ELLE
」の時の演技と非常に重なる部分があったというところ。「愛・アマチュア」では、いきなりカフェの店員に追い出されそうになるシーンから始まる。「あんた、ここはホテルじゃないんだよ!コーヒー1杯で何時間粘るつもり?」と言われても、「さっき、コーヒー以外にモノ頼んだわよ!」と闘いにいくスタンスをイザベル・ユペール扮する官能小説作家は取る。
「エル ELLE」でも、周囲に蔓延るいやーな噂話や暴力に立ち向かっていくスタンスを取っている。イザベル・ユペールって、内面から作り出す強い女性像演出が本当に上手いなと思った。
最後に…
やはり、ハル・ハートリーはジム・ジャームッシュやアキ・カウリスマキよりの監督でオフビートな笑いに観客を包む。観ていて快感を得られる監督ですな!これは全作観たいぞ!!!
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