東京流れ者(1966)
TOKYO WANDERER(1966)
監督:鈴木清順
出演:渡哲也、
松原智恵子、川地民夫etc
評価:80点
先日、
アカデミー賞作品賞
大本命の「ラ・ラ・ランド
」の試写会で
ダミアン・チャゼル監督が、
本作に影響を与えた作品として
鈴木清順監督の「東京流れ者」を
挙げていた。
ホンマかいな?
ということで、DVDを
買って早速観てみることにしました…
「東京流れ者」あらすじ
結婚しやくざを辞める決意をした哲也だったが、
手形延期を巡って、
組織の抗争に巻き込まれるのだった…
日本のオマージュ技術の高さ
冒頭でも語ったとおり、
なんとダミアン・チャゼル監督が、
「ラ・ラ・ランド」に
影響与えた作品に鈴木清順の
「東京流れ者」を挙げていたので
観たのだが、これが確かに納得なのだ。
どこが?については
実際に観て比較してほしいのだが、
今回確信に変わったことは、
日本の方が1950年代
ハリウッドミュージカルの
引用が上手かったりする。
クレイジーキャッツ作品や
「君も出世ができる」など
ハリボテでカラフルな世界に、
頭を空っぽにして楽しめる娯楽を
今観ても古びない斬新さで描いている点、
下手にノスタルジー路線の
「ワン・フロム・ザ・ハート」や
「ニューヨーク・ニューヨーク
」
より上手である。
鈴木清順の美的センス炸裂
「東京流れ者」に関しては、
銃の撃ち方こそ
テキトーデタラメなのに、
ここまでクールで引き込まれて、
何よりもハリウッド
アクションさながらの
高揚感を得られるのが凄い!
しかも、雪の線路や
ハリボテのホールと
いったありえない場所での戦闘は、
ハリウッドも真似できまい。
日本の誇れるアクションと言えよう。
例えば雪の線路での決闘シーン。
雪の平原を渡哲也と敵が歩くのだが、
何故かそこに似つかわしくない程、
「酒」と書かれた赤提灯が
掛かっている。
そして、二人が雪の平原を
歩いて行き、線路にたどり着く。
そして列車が迫っていく中
二人が銃を撃ち合う。
あまりにどうかしている。
ストーリーはあってないようなものだが、
ダミアン・チャゼルが
惚れるの納得な作品でした。
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