“Ç”【ネタバレなし】「秘密 THE TOP SECRET」大友啓史、原作はBLのようですよ…

秘密 THE TOP SECRET(2016)

秘密

監督:大友啓史
出演:生田斗真、岡田将生、松坂桃李、
織田梨沙、リリー・フランキーetc

評価:30点

「るろうに剣心」の大友啓史が、
清水玲子の同名漫画を実写化
生田斗真、岡田将生を主演に抜擢し、
気合いを入れた作品。

なんと、上映時間がこの手の
邦画にしては異例の約150分
という長さでブンブンは
一抹の不安を覚えたが、
いかに…

「秘密」あらすじ

参考人や既に死亡した犯罪者の
脳を解析して難関事件を解決する
政府未承認機関「第九」。

「第九」に新しく配属された
青木は、室長・薪剛から
テストとして、
家族殺しで死刑となった
男の脳をスキャンするミッションを
与えられる。

あっさり真相にたどり着いたと
思ったら、驚愕の真実が
発覚し、深い過去へと誘われていく…

実は原作はBLだったw


本作を観て、ずっと違和感だったのだが、
原作は女性漫画家で少女漫画系の
花とゆめコミックスから出版されている。
そして、主演は男が二人。

生田斗真演じる、真面目だが
かわいい系と岡田将生演じる
眼鏡で真面目系…

これもしやBLだったんじゃないか?
と原作の1巻を急遽読んでみたら、
ドンピシャ!でしたw

雰囲気が映画と全く異なり、
完全に宝塚テイストのキャラクター
造詣で、実際に「アァーーーーー!」
なシーンもある。

そして、1巻読んで思ったことは、
「原作ファンよ…
オススメしません!」

恐らく、原作ファン、
BLファンは
「生田君と岡田君のアレが観られるの?
念願のキャストによるウケセメが観られる!」

と興奮される方は多いだろう。
残念ながら、監督の不理解に伴い
それは割愛となっております…
スミマセンネ…

ってことで、本作は原作の本筋でも
あるSF映画、ミステリー映画
として語っていく。

↑初心者でも興味が出るBL解説

脚本のブロックが連結してない

本作の上映時間が約150分と長いのには
理由がある。
それは3つのパートを重厚に描いているからだ。

一つ目は岡田将生扮する、
新人捜査官青木が脳内捜査を
するパート

二つ目は、
現実世界で捜査するパート

そして三つ目は
室長・薪が脳内捜査するパート

「インセプション」のように
各セクションをしっかり描くことで
物語の重厚せいが生まれる。
そして「秘密」がいいところは、
一旦脳内という「仮想」から
「リアル」の世界に戻り
事件を多角的にみようと
しているところだ。

そして、薪の視点も入れることで、
本作の冒頭でも述べられる
「客観的」捜査に説得力が
備わるプロットとしては
良い作りをしている。

しかしながら、各パートが
シンクロしていない為、
観客は物語が進むにつれ
「?」が増えていき空中分解
する羽目となる。

まず、主人公が何を
したいのかがよく分からない。
確かに、「凶悪殺人」の真相
を突き止めるという目標は
分かる。

しかし、最初のパートで
一通り真相らしいことは
分かる。
重要人物もすぐに
ポンポンと見つかってしまう。

そうなると、衝撃の事実
っていうものを与えないと
物語として平坦になってしまうのだが、
一向に出てこない。
出てきたとしても、登場人物が
勝手に一喜一憂して自己解決
してしまっているため、
観客にはなんのことやら
分からない。

それを3パート総てやってしまっているため、
結局、なんだったの?何故ああ対処しなかったの?
と疑問符しか出てこない事態となる。

今回脚本が、4人。
大友監督
高橋泉(「凶悪」「シマウマ」脚本)
イ・ソクジュン
(「私の男のロマンス」脚本)
キム・ソンミ(「私の男のロマンス」脚本)
で行っているとのことだが、
4人で連携が取れてなかったのでは
と思わざる得なかった。

大友監督の10月公開作
「ミュージアム」でも高橋泉を
脚本に据えているので
不安がよぎる。

でも、新人女優:織田梨沙は良い!

↑織田さんが出演した
集英社文庫「ナツイチ」2015 WEBムービ

本作で良かったところは2つある。

1つめは織田梨沙の演技が上手いところだ。
映画出演は過去に2度あるものの、
大作は今回初のモデル織田梨沙。
カノジョは物語のキーとなる女性
絹子を演じているのだが、
二階堂ふみを思わせる魔性の女感
全力で演じており、
危険だと分かりつつも、
魅了されたらついて行ってしまいそうな
フェロモンをプンプン漂わせています。

素晴らしいファム・ファタール
女優に化けました。

そしてもう1つ。
銃を使った緊張感の演出が上手かったなと
思った。銃声も非常に大きな音で編集している
ので、「死」を連想するハラハラドキドキを
上手く表現していたなと感じました。
正直何度かビビリましたよw

最後に…

う~ん、「マルコビッチの穴」を引き合いに
語る台詞が多かったが、
やっぱり薄っぺらい低俗な映画でした。

人の心や脳を読み取る重さが、
ちっとも伝わってこない。
「インセプション」に比べると
月とすっぽんの差がある作品でした。

やはり、日本でSFを、
ましてやミステリーを掛け合わせたもの
を作るのは技術力的に厳しいので、
それこそBLに吹っ切れた方が
良かったのではと感じました。

大友監督の次回は、
「ミュージアム」に
「3月のライオン」
と危険な映画化が
続いているが、果たして
汚名返上できるのだろうか?
今後に期待である。

↑主題歌はオーストラリアの
Siaの「Alive」。
(Sia「Alive」歌詞和訳

)

おまけ:薪の部屋にある
ボードゲーム


本作で、生田斗真扮する薪の
部屋には何やら見慣れない、
でもインテリアとしてもカッコイイ
ボードゲームが置いてありましたね。

このボードゲームは
「QUORIDOR(コリドール)」という
フランス製のボードゲームです。

実際に、プレイ動画を観ると、
初心者でも楽しめそう且つ
奥深いゲームでブンブン欲しくなりました。

この夏、家族との
コミュニケーションツールに
コリドールで遊んでみてはいかがでしょうか?

ブロトピ:映画ブログ更新

1 個のコメント

  • コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です