“Ç”【渋谷シネクイント休館】「シング・ストリート」楽曲の魅力に迫る

シング・ストリート 未来へのうた(2015)
Sing Street(2015)

シングストリート

監督:ジョン・カーニー
出演:フェルディア・ウォルシュ=ピーロ,
ルーシー・ボーイントン,
マリア・ドイル・ケネディetc

評価:65点

渋谷にあるシネクイントって
映画館が、43年営業した
パルコの建て替えにより
8/7(日)をもって休館する
ことをこの前知った。

ストレイト・アウタ・コンプトン


で凄い盛り上がった映画館だけに
寂しい!ということで行って参りました!
シネマライズ

↑「ワイルド・スタイル

」を観た
向かいのシネマライズも閉館
しちゃったんだよね~

そんなシネクイントで観たのは、
音楽映画「シング・ストリート」!
ライムスター宇多丸を始め、
周りの映画仲間も大絶賛の
青春音楽映画。

果たして…

※音楽に関する解説を
するので多少ネタバレには
なるが、解説を見てから
鑑賞しても大丈夫な記事です。

「シング・ストリート」あらすじ

1980年代大不況のアイルランド。
父親は失業。
母親はパートで働き困窮。
主人公のコナーは
荒れた学校に転校する羽目になる。

不良に絡まれ、酷い校長による
イジメにも遭うコナーだったが、
学校前によくいるグラマーな
女性に一目惚れ!
スクールカースト下位メンバーで
バンドを結成し、彼女に
猛烈アタックする…

ダサ格好いい!

監督であるジョン・カーニーが
「ONCE ダブリンの街角で」「はじまりのうた


で名声を博して、満を期して
自分の幼少期と向き合った作品だ。

処女作臭が漂いすぎて、ストーリーや
所々の演出に難はある。

例えば、タイトルで有りバンド名である
「シング・ストリート」。
学校名である「SYNGE STREET(シング・ストリート)
のSYNGEにSINGを掛けただけという
安直で正直ダサいところがある。

また、本作はあまりに主人公コナー
のご都合主義で進むので、
音楽バンド映画ないし、
「奴ら」映画としてアウト過ぎる。
起承転結の転の部分が弱すぎたり、
そもそも音楽性の違い等で
バンドが分裂することもないので、
アラン・パーカーの音楽映画
コミットメンツ

」の劣化版に
見えかねない。

ってか、ストーリーほとんど
「コミットメンツ」やないかい!

さらに、致命的なのが、
主人公がバンドを結成する
理由が「女に惚れたから」なのだが、
「惚れる」描写があっさりしすぎ。

こう並べるときりがないぐらい
不細工。「はじまりのうた」の
クオリティを比べるとデビュー作かな
と思ってしまう。

しかし、しかしだよ!
本作はそのダサさ込みで楽しむ作品だ。
そしてそのダサさがノスタルジーとなって、
泣ける作品へと仕上がっていく。

a-haにバグルスにマイケル・ジャクソン

1980年代と言えば、MTVが流行始めた
時期で、ポップなサウンドに
カッチョエェ映像が組み合わさった
画期的なARTが生まれた時代である。

それこそ、Ray Parker Jr.
の「ゴースト・バスターズ」

のミュージックビデオは
1984年に作られている。

さて、本作はバンドを結成して
好きな女を主役にした
ミュージックビデオを
作る話なので
80年代音楽ネタや
ミュージックビデオネタが
沢山出てくる。

最初のPV撮影では、
マイケル・ジャクソン「スリラー」
を意識している。
しかも、「スリラー」ってところが
また良くって、
このMVを撮ったジョン・ランディス
監督はあの「ブルース・ブラザーズ」
の監督さんでもあるのだ!
流石です(*^_^*)

そして音楽ネタでは、
女を口説く時に
コナーが歌う曲が
ノルウェー出身のバンドa-ha
の「Take On Me」

歌詞は至って簡単、
少し高音なところ以外
難しくはないのに
ド下手なのだ。
これには劇中の観客も
爆笑でした。

↑MVは素晴らしいですよ~

他にも、バグルスの「ラジオスターの悲劇
(Video Killed The Radio Star)」

のラジオ感を出すために
コナーたちが工夫をするシーンや、
様々な民族楽器、
東洋的舞いをMVに盛り込もうとする
あたりの創作感は観ていてたまらない。
特に青春時代にクリエイティブな
活動をしていた人ほど
夢中になります。

もうねぇ、ブンブンの心は
カーニー監督の曲選び、
ネタ選びのハイセンスさに
途中から号泣でした。
えっつおまえ、その時
まだ生まれてないだろって?

確かにブンブンは1990年代生まれだが、
あの「ハッチポッチステーション」
世代なのだ。

「ハッチポッチステーション」とは
グッチ裕三がKissや
アース・ウィンド・アンド・ファイア、
クイーン
などの名曲を
レベルの高い替え歌にし、
MVまでとても子ども向けとは
思えないほどのクオリティで
演出した伝説の音楽教育番組だ。

グッチ裕三はブンブンに沢山
洋楽の面白さを教えてくれた。
小学生時代、iTunesに
沢山洋楽を聴いてて、
当時まだごつかったiPodで
塾の行き帰りどっぷり
洋楽に使っていたのだ。

故に本作を観ると泣けてきます。

ギグシーンの一夜っていいもんですね

本作の最大の見せ場が、
この手の映画定番の、
学園祭等でのギグシーン。

正直、シング・ストリートの
演奏は上手くはない。
しかも独りよがりだったりする。
なんだけれども、文化祭独特の
高揚感があって心に染みる。

さらに、演奏が終わり、
祭りが終わり、
朝を迎える。

二度と戻ってこない輝かしい
ひとときの別れの切なさと、
未来への希望、そして不安が
ぐちゃぐちゃに混ざった感じ。
しっかり描けている。
それこそ「青春デンデケデケデケ」
バンド映画では
ないが「アメリカン・グラフィティー」
を彷彿する。

ぬぅ~~~~!
ブンブンもう大学4年生。
社会人までのカウントダウンが
迫っている身分として、
すぐさまタイムスリップ
したい!

高校2年生や3年生の文化祭に
戻りたいと思いました。

サントラを買いたくもなりましたぞ~

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