顔(2000)
監督:阪本順治
出演:藤山直美、豊川悦司etc
評価:75点
6/4に巨匠・阪本順治と藤山直美
が15年ぶりにタッグを組んだ
「団地」が公開されるのを
記念して、「顔」を観ました。
「顔」あらすじ
引きこもりニート同然の生活で40歳過ぎまで生きてきた吉村正子。
ある日、妹にキツイことを
言われ、腹が立った勢いで
彼女を殺してしまう。
家にいられなくなった
彼女は逃亡するのだが…
藤山直美が凄い!
本作は、藤山直美あっての映画だ!
完全コミュ障な女が、
久しぶりに出る外の世界。
どう考えてもすぐに捕まりそうな
ぐらい不器用なのだが、
妙な愛嬌があって皆
騙されること騙される。
この不器用な主人公を演じる
藤山直美がホンモノにしか
思えないような不器用
っぷりを発揮する。
例えば、自転車の乗り方。
右に左にフラフラ
蛇行運転してしまう
鈍くささがサイコーです!
また、逃走劇なのに
全体的に彼女の
鈍くささが全開でコメディになっている。
鈍くさい役って、一歩間違えると
腹が立ってくる。
特に、電車で佐藤浩市扮する
酔っ払いとのやりとり。
弁当を食べる藤山直美が、
飲み物を取ろうとして、
箸を落とす。
正体がばれないように、
マスクをしながらご飯を
食べようとする間抜けさ。
普通だったらムカつくほどに
不器用なのだが、藤山直美の
演技にはどこかかわいらしさ
があり憎めない。
うち秘めた性格の良さが
にじみ出ているからだ。
故に本作に説得力が出てくる。
マジで妹が性格が悪いので、
殺されても「しょうがない」
と思えてくるのだ。
それこそ本作の肝と呼べる
ところである。
美人でも性格が悪いよりも、
ブスでも性格が良い方がよい。
心の「顔」が強いのだ
ということがよく
描けている。
次回作「団地」も、
ユーモラスなクライム劇らしい。
ある夫婦が団地に引っ越してきたのだが、
夫が「死んだことにしてくれ」と
言い始める。
次第に明らかになっていく秘密に
団地の住民が巻き込まれるという
ユニークな話。
これは期待できそうだぞ~
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