【TIFF2017】『スヴェタ』カザフスタン製凶悪聾唖者犯罪劇『ザ・トライブ』のトラウマ再び

スヴェタ(2017)
SVETA(2017)

監督:ジェンナ・イサバエヴァ
出演:ラウラ・コロリョヴァ,
ロマン・リスツォフetc

評価:85点

東京国際映画祭のコンペティション部門にカザフスタンの問題作が登場!

出演者ほとんどが聾唖者で構成された犯罪もので、レイオフ、家差し押さえの危機に陥った聾唖者が鬼畜過ぎる罪を犯すという内容。Q&AではTwitterでの炎上を受け、日本語手話がつき、その中で劇中における犯罪を肯定する凄まじい発言があったためか、Filmarksでも賛否が分かれ結果として無冠に終わった作品だ。

そんなトンデモ映画『スヴェタ』を紹介していくぞ!

『スヴェタ』あらすじ

聾唖者のスヴェタは家賃の支払いが遅れ、家差し押さえの危機に瀕する。それにも関わらず夫は、全く危機感を抱かずのほほんとしている。おまけに不景気により、工場がレイオフを実施し、スヴェタがその対象者として選ばれてしまう。窮地に陥ったスヴェタはトンデモナイ行動に出る…

『ザ・トライブ』の戦慄再び

2014年、一つのトラウマ映画がブンブンの心を鷲掴みにした。それは『ザ・トライブ

』という作品。

全編手話、字幕なしという斬新な作風。そして、通常その手の作品は「感動泣ける」映画と相場が決まっているのだが、なんと『ザ・トライブ』は「怖すぎて泣ける」ギャングスタ映画だった。

あれから3年後、カザフスタンから『ザ・トライブ』の意志を継承した作品が出現した。その名も「スヴェタ」。

社員全員聾唖者の織物工場を舞台に繰り広げられる血みどろ抗争劇だ。

借金滞納で2週間後に家を奪われてしまう家族。そして、主人公スヴェタにさらなる試練が!なんと不況に伴いレイオフを社長から宣告されてしまうのだ。あまりの理不尽さに、スヴェタはトチ狂い、同僚をレンガで殴り、また夫の婆ちゃんを毒殺しようとするど畜生っぷりを発揮!

夫に真顔で「あんたの婆ちゃん殺して良い?92歳って十分生きたよね!」と言い放つ。

くっ狂っている。

ドキュメンタリータッチなのもあり、とてつもなくヤバイものを観た気分になった。そして、スヴェタが愚行を犯す度にイヤーな問題が次々起こる手汗握る展開に、日本人からはあまり考えられないような結末と大満足な作品でした。

本作にグランプリをあげたい!(残念ながら無冠に終わってしまったが)
ユーロスペースかアップリンクよ、どうか本作を配給してください!

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