【ネタバレなし】「ブラインド・マッサージ」ロウ・イエpresents盲目だから見えてくる愛の形

ブラインド・マッサージ(2014)
推掌(2014)

監督:ロウ・イエ
出演:ホアン・シュアン、
チン・ハオetc

評価:80点

第64回ベルリン国際映画祭で
銀熊賞(芸術貢献賞)

受賞したロウ・イエ監督
最新作がようやく1/14(土)
よりアップリンクで公開
されました。

盲人マッサージ屋を
舞台に渦巻く愛憎劇
だそうだが果たして…

「ブラインド・マッサージ」あらすじ

盲人が営むマッサージ屋を舞台に、
美人と言われる女、
駆け落ちし転がりこんだ
カップル等が織りなす
愛憎劇が繰り広げられる…

盲人の光と闇

映画における、障がい者は、
無視されるか御涙頂戴
感動ポルノになるケースが多い。
また、ファレリー兄弟映画
のようにコメディ人員で使われる。

しかし、実際、
障がいを持っていようが、
一人の人間である。

そのことを描いた傑作
ザ・ドライブ

」に次ぐ傑作がここに誕生した。
盲人たちが営むマッサージ屋を
舞台に人間模様を描く群像劇なのだが、
非常にドロドロとしている。
院内の女に惚れ込み、
何度もアタックする者。
風俗に通う者、
美人と言われるが
しっくりこない女性。
借金取りに追われる男。

これらの話を、
盲人だからこそ見えてくる愛と美、
コンプレックスの
ドラマへと押し上げている。
特に象徴的なのは2つある。
一つ目は「ぼかし」の表現だ。
盲人の視界による闇と光、
心の闇と光を不思議な
カメラワークと
見たこともないような
編集で表現している。これが秀逸。

二つ目は、マッサージ屋と娼館の対比だ。
どちらも肉体に迫り、
癒しを与える場所。
劇中で、盲人にとって
健常者は違う生き物、
神のような存在と語られるが、
まさに盲人しかいない
マッサージ屋と
健常者だらけの娼館に世界を区分。
盲人が娼館に嫌々ながら
頑張って通うことで、
神を克服しようとする
神話性をもたせている。
これらの物語を盛り上げる、
ヨハンヨハンソンの楽曲も良かった。

しかし、
感情を語り過ぎているのではと
思う箇所が多く、
「惜しい!」作品でもあった。

これはアップリンクで!

ロウ・イエの監督は暗闇の
描写が多く、DVDや
パソコン画面で観るには適さない。

現在NETFLIXに挙がっている、
「スプリング・フィーバー」は
批評家の間で大絶賛されたのだが、
いざ小さいスクリーンで観ると、
真っ暗過ぎて良さの20%も
伝わってこない。

この「ブラインド・マッサージ」も
「スプリング・フィーバー」程では
ないが、やはりしっかりした
スクリーンで観ないと暗闇に
隠された深みを堪能できない
ので、是非劇場で
ウォッチしてみてください。

ブロトピ:映画ブログ更新

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です