評価

2021映画

【 #サンクスシアター 20】『花子』私が勝手に”作品”と呼んでいるだけ

サンクスシアター追い込みでラインナップを見ていたのですが、なんと佐藤真監督作品があることに今更ながら気づいた。佐藤真監督といえば、新潟水俣病を描いた『阿賀に生きる』や牛腸茂雄を追った『SELF AND OTHERS』で知られるが、いまだに自分の中で言語化できていない。両作品とも、他のドキュメンタリー感覚とは一線を画する。凄い監督なのは分かるのだが、何がどう凄いのかが言語化できない。さて、食べ物を並べてアート作品を作る障がい者を撮った『花子』を観たのですが、言語化できそうだったので感想を書いていこうと思います。

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【 #サンクスシアター 18】『息を殺して』息を殺して生きる者の微かな愉しみ

2010年代の日本インディーズ映画は「会話劇」「閉塞感もの」「黒沢清再解釈系」に集約できると考えている。会話劇系は2010年代、色んな監督が挑戦し、濱口竜介、今泉力哉、瀬田なつき、山戸結希と天才が現れ道を示したからあまり心配していない。 ロメール、ジャームッシュ、サンスを多少真似ても、自分の理論が確立されていれば面白い映画になりやすい土壌はできているんじゃないかなと思う。

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『危機一髪!西半球最後の日』ウィリアム・キャッスルが『インセプション』のような映画を撮っていた件

今見るとクラシカルな色彩、ヴィジュアルに包まれたスパイ基地から物語は始まる。ハーゲン・アーノルド(クリストファー・ジョージ)は重要な情報を入手して帰ってくるが、東洋の組織の手によって重要情報の記憶はブロックされてしまった。冷凍睡眠で眠られ、職員がしきりに脳内ハッキングしているが「14日後に西洋は破壊される」というメッセージしか引き出せなかった。

そんな中、1960年代にヒントがあることが分かる。そこで、1960年代を仮想環境で再現。そこにハーゲン・アーノルドを配置し、スタッフ一同彼の行動をコントロールし情報を盗み出そうとするのだ。

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【 #サンクスシアター 22】『東京人間喜劇』オフ会0人よりも深き地獄

劇作家・平田オリザの主宰する劇団青年団の演出部に所属する深田晃司監督が、フランスの文豪バルザックの作品群「人間喜劇」に着想を得て手がけた長編映画。ダンサーのサインを求めるファンの女性2人が雨の夜の街を駆け抜ける「白猫」、アマチュアカメラマンの女性が開いた個展の一日を通じて友情への期待と失望を描く「写真」、右腕を事故で失った夫とその妻との間に横たわる溝を描き出す「右腕」の3編で構成。

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【ネタバレ】『リカ ~自称28歳の純愛モンスター~』上から来るぞ!気をつけろ!

高岡早紀主演で2019年10月に「リカ」、21年3月に前日譚「リカ リバース」が放送されたドラマシリーズの劇場版。五十嵐貴久のサイコスリラー小説「リカ」シリーズを原作に、19年版ドラマ最終回のその後が描かれる。山中でスーツケースに入った本間隆雄の死体が発見された。本間は3年前に逃走犯の雨宮リカに拉致され行方不明になっていた。警視庁捜査一課の奥山次郎は、潜伏中のリカをおびき寄せるため、偽名を使ってマッチングアプリでリカを探し出すことに成功するが、次第にリカにのめり込んでいく。奥山の婚約者でリカを追う警察官の青木孝子は、捜査に平行し、リカにのめり込んでいく奥山を心配し、先輩の梅本尚美とともに奥山の部屋へと向かうが……。リカ役を高岡が演じるほか、奥山役を市原隼人、青木役を内田理央、梅本役を佐々木希がそれぞれ演じる。

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【ネタバレ考察】『ヒノマルソウル』から観るプロパガンダ映画論、或いは想像したくない東京五輪

まず、1994年リレハンメルオリンピックでの場面。街中のディスプレイ前に群衆が集まる。その中で、原田雅彦(濱津隆之)は痛恨のミスで金メダルを逃す。群衆が、一斉にヤジを飛ばす。記者会見のシーンでは、必死に震えを押さえ込み苦笑いする原田に記者が圧をかける。このシークエンスにより、金メダル獲得がいかに日本にとって重要かが観る者に刷り込まれる。そして数分に一度「金メダル」という単語が発せられ、いく先々で金メダルが取れないことによる呪いを向けられる。この積み重ねにより、終盤誕生するパワーワード「ヒノマルソウル」に熱が宿る。