【 #死ぬまでに観たい映画1001本 】『ハイ・シエラ』犬にとって修羅場は関係ない

ハイ・シエラ(1941)
HIGH SIERRA

監督:ラオール・ウォルシュ
出演:ハンフリー・ボガート、アイダ・ルピノ、アーサー・ケネディ、アラン・カーティス、ジョーン・レスリー、ヘンリー・ハル、ヘンリー・トラヴァース、バートン・マクレーン、ジェローム・コーワン、コーネル・ワイルドetc

評価:65点

先日、Twitterのスペースで2021年上半期ベスト映画について映画仲間と語っていたら、寺本郁夫さん( @melancholia2011 )がラオール・ウォルシュ監督『ハイ・シエラ』を挙げていた。不勉強ながらラオール・ウォルシュ監督は名前こそ知っているが未観であった。「死ぬまでに観たい映画1001本」掲載作品でもありますので観てみました。

『ハイ・シエラ』あらすじ

インディアンの農家の息子から凶悪な銀行強盗犯となったロイ・アール(ハンフリー・ボガート)は、8年ぶりに特赦で出所し、仲間のビッグ・マックがお膳立てしているロスの高級リゾート・ホテルの強盗の片棒を担ごうとしていた。若い手下のベイブ・コサック(アラン・カーティス)とレッド・ハタリー(アーサー・ケネディ)の待つキャンプ場へ到着したロイは、彼らが一緒に連れて来た娘マリー・ガーソン(アイダ・ルピノ)が邪魔で仕方ない。また強盗の手引きをするフロント係のメンドーサ(コーネル・ワイルド)の怖気づいている様子も気に懸かる。そんなロイだったが、道中のガンリンスタンドで出会ったグッドヒュー老夫婦の孫娘ベルマ(ジョーン・レスリー)に愛情を抱き、足の悪い彼女の手術代の捻出を申し出たりもした。果たして強盗決行、ロイはパトロール中の警官を射殺、逃亡の際ベイブとレッドは運転をあやまり事故死。マックも心臓発作で死亡、襲ってきた部下のジェイクをロイは射殺、彼も傷を負いながらマリーと逃亡する。その途中、全快したべルマのもとを訪れたロイは、彼女から婚約者を紹介され、裏切られた思いでベルマへの愛を断ち切り、かねてから彼に寄せられていたマリーの愛情に応えるのだった。マリーをバスに乗せ彼女と別れたロイは、車で逃走中強盗で資金稼ぎをし警察の非常線にかかってしまう。ハイ・シェラに追いつめられたロイは、報を知り駆けつけたマリーの見守る中、狙撃手に撃たれ息絶えるのだった。

※映画.comより引用

犬にとって修羅場は関係ない

まず、今回Amazon Prime Videoでレンタル観賞したのですが、デジタルリマスターかと思うほどに画が綺麗でコレだけでテンションが上がりました。話としてはよくある犯罪もので、刑務所から出所した男ロイ・アール(ハンフリー・ボガート)が再び強盗を企てるという内容だ。

しかし、本作には2つの魅力があり、他の犯罪映画から一歩抜きん出ている。

1つ目は犬の存在だ。本作では、何故か犬がグイグイと作品に食い込んでくる。悪人たちが作戦を企てたり、人間関係のいざこざが発生していようが御構い無しに、画面に映り込もうとしており、車が走り出すと全速力で追いかけてくる。部屋に閉じ込めようものなら、窓から脱走する。コレが緊迫感ある映画をマイルドにする。カレーにココナッツや蜂蜜、リンゴ、トマトを入れてマイルドにする感じだ。コレは今における『ジョン・ウィック』1作目に少し引き継がれていると言えよう。

2つ目はカーチェイスシーンだ。寺本さん曰く、ラオール・ウォルシュ映画において車の使い方が重要らしい。確かに観ていると、早回しで展開されるカーチェイスシーンは魅力的だ。崖スレスレを進行する動きや、長回しで、車が失踪する数十秒後に追いかける車が現れる。そのドップラー効果と左右にパンするカメラワークが魅力を醸造している。

ラオール・ウォルシュ監督は他に『白熱』、『夜までドライブ』が面白いらしいので挑戦したいものである。

 

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