【フランス団地映画】『GAGARINE』団地は青かった
カンヌレーベル2020に選出されたファニー・リアタール、ジェレミー・トルイ長編デビュー作『GAGARINE』を観ました。本作は2015年の短編映画の長編映画化であり、パリ郊外にある公営団地シテ・ガガーリンの解体直前に撮影された作品だ。シテ・ガガーリンは1961年に建設、1963年に落成した。ソビエト宇宙飛行士ユーリイ・ガガーリンに因んで命名され、落成式には彼も訪れている。しかし、70年代からフランスの産業構造の変化に伴い、団地を離れる人が増えていき、団地を維持するために移民を受け入れるようになった。そして2019年から解体工事が始まり2020年、完全に取り壊された。本作は、そんなシテ・ガガーリンの最期がドラマチックに描かれた傑作であった。