2021映画

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【ネタバレ考察】『ヒノマルソウル』から観るプロパガンダ映画論、或いは想像したくない東京五輪

まず、1994年リレハンメルオリンピックでの場面。街中のディスプレイ前に群衆が集まる。その中で、原田雅彦(濱津隆之)は痛恨のミスで金メダルを逃す。群衆が、一斉にヤジを飛ばす。記者会見のシーンでは、必死に震えを押さえ込み苦笑いする原田に記者が圧をかける。このシークエンスにより、金メダル獲得がいかに日本にとって重要かが観る者に刷り込まれる。そして数分に一度「金メダル」という単語が発せられ、いく先々で金メダルが取れないことによる呪いを向けられる。この積み重ねにより、終盤誕生するパワーワード「ヒノマルソウル」に熱が宿る。

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【 #サンクスシアター 17】『あいが、そいで、こい』昭和の尾を引く平成の青き夏

「カメラを止めるな!」を生み出した映画専門学校「ENBUゼミナール」のワークショップ「シネマプロジェクト」の第8弾で製作された2作品のうちの1作。短編「ひとまずすすめ」が国内の多数の映画祭で受賞を果たした柴田啓佑監督が、ある海辺の田舎町を舞台に、それぞれの問題を抱える男子高校生たちが、イルカの調教師を夢見る留学生と出会ったことから始まる、夏の初恋の物語を描いた。2001年の夏、海辺の田舎町に住む高校生・萩尾亮は、同級生の学、小杉、堀田ととも高校最後の夏休みを過ごすことに。そんなある日、イルカの調教師を目指して台湾からやってきたという留学生の少女リンと出会った亮だったが、イルカと海が大嫌いな亮はリンと対立してしまい……。

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【ネタバレ考察】『ティングラー/背すじに潜む恐怖』ウィリアム・キャッスルWho Are You?

ウィリアム・キャッスルが「世にも奇妙な物語」のタモリのように登場して、「叫びはショックを軽減させる。だから時が来たら叫ぶのです。ビリビリとしたものが来るかもしれない。そうしたら叫ぶのです。」と語る。実は、本作は劇場の一部が電気椅子となっており、怪物ティングラーが現れると電気ショックが発生するのだ。そして観客に叫ばせることでチープな怪物ティングラーに魅力を与えようと試みている。

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【 #サンクスシアター 15】『5windows eb(is)』リベラシオンを読みながらポッキーをパクパクする女

『5windows』から4年後、恵比寿映像祭において制作した『5windows』の恵比寿編。恵比寿ガーデンプレイスのセンター広場などでインスタレーションとして展示された「5windows eb」「5windows is」の二つの作品を再編集したもの。東京、恵比寿で、中村ゆりかと染谷将太とともに、また別の物語を描く。

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『私、オルガ・ヘプナロヴァー』抑圧を抑圧のまま殴る、そして開き直る

1973年、オルガ・ヘプナロヴァ(22)はプラハで路面電車を待つ人々にトラックを衝突させ、12人が負傷、8人が死亡する大惨事となった。彼女には死刑宣告がくだり、チェコ史最後の死刑囚となった。そんな彼女が何故、トラックで大量殺戮を行ったのか?それをこの映画は描いていく。

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【カンヌ国際映画祭特集】『After Love』&『The White Knights』ヨアヒム・ラフォスってこんなに酷いの?

第74回カンヌ国際映画祭のシーズンがやってきました。コンペティション部門のラインナップをみていると、見慣れない名前の監督の存在に気がつきました。ヨアヒム・ラフォス(Joachim Lafosse)はベルギー出身の映画監督です。オティニー=ルヴァン=ラ=ヌーヴにあるInstitut des Arts de Difusionで学んだ後、2004年に初長編Folie Privéeを撮る。本作は、離婚するにあたって息子の所在をどうするのか悩む話であり、後の『After Love』に通じる物語となっている。2012年に発表した『Our Children』で5人も子どもを殺害した女を巡る物語を描き、主演のエミリー・ドゥケンヌが第65回カンヌ国際映画祭ある視点部門で女優賞を受賞した。