2021映画

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『SUN CHILDREN』マジッド・マジディ子ども修羅場映画が帰ってきた件

『運動靴と赤い金魚』で知られるイランの名匠マジッド・マジディ。『少女の髪どめ』までは日本でもそこそこ紹介されていた監督ですが、ここ最近は全く日本に入ってこない監督の一人である。そんな彼の新作『SUN CHILDREN』が第77回ヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門に選出されました。予告編を観る限り『運動靴と赤い金魚』の修羅場レベルが100倍になった作品だと感じました。最近のイラン映画といえばアスガル・ファルハーディー的閉塞感ものが主流となっていて正直飽きてきたのですが、『ジャスト6.5 闘いの証』や『迂闊な犯罪』といったその停滞を打破する作品が日本でも観られるようになってきてイラン映画に再び光が見えているところ。そこに新たな一打をぶつけてきました。

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【ネタバレ考察】『ゴジラvsコング』から観る拳で語るとは?

2014年から始まったハリウッドゴジラユニバース完結編である『ゴジラvsコング』が遂に映画館で上映された。ゴジラ大国でありながらもいつも通りハリウッド大作の公開が遅い日本では、海外の人のネタバレを踏んでしまいtwitterでは阿鼻驚嘆となっていましたが、皆大味なポップコーン映画に飢えていたのか、公開されるや否やお祭り状態となっている。当然ながら私もその一人。直接的なネタバレこそ踏まなかったものの、なんとなくツイートで察してしまった悲しい人です。でもこの映画だけは映画館で観ようと待ちました。そして大正解でした。監督は『ブレア・ウィッチ』やNetflix版『DEATH NOTE/デスノート』といった衝撃的なポンコツリメイクを放った悪名高きアダム・ウィンガード。数年前から警戒していたのですが、これが実に素晴らしかった。

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【MUBI】『Beginning』燃ゆる終わりの始まりは果てしなく

白い教会にゾロゾロと人が集まる。そして神の教えの授業が始まる。荘厳で穢れなき空間は突如業火に包まれる。過激派が投げつけた火炎瓶によって地獄絵図となるのだ。人々は、袋の鼠となり、必死に窓ガラスを割ろうとするが、中々割れない。次のカットでは、荒ぶる業火とは対極にある草原が映し出される。大樹がそこにあり、側には女性がいる。周りでは子どもが遊んでいる。だが、フレームの外ではボウボウと業火の音が聞こえる。カットが切り替わると、人々が、心の拠り所にしていた教会が大炎上しており立ち尽くしている。その次の場面では夜になっても消えることのない炎が映し出される。と同時に、火災そっちのけで遊ぶ少年と、野次馬のように火災を見に行く少年が映し出される。事態の凄惨さをたった4カットで、紡いで行く演出だけでもこの映画の凄まじさが良くわかる。

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#2021年上半期映画ベスト

昨日7/4の夜に映画呑み仲間であるTERRA_sunさん(@terra82mater),寺本郁夫さん(@melancholia2011)、Knights of Odessaさん(@IloveKubrick)と #2021年上半期映画ベスト 発表を行いました。コロナの前は、毎年この時期にはレストランで行っていたのですが、変異株も蔓延していることなのでTwitterのスペースで行うことにしました。昨年から仲良くさせていただいている、日本未公開映画のスペシャリスト五次元アリクイ(@arikuigo)さんも後半から参加し、下半期の期待作についても語ることができました。

というわけで、当記事では軽いアーカイブとして各人のベストおいておきます。CHE BUNBUNのベストには軽い総評と旧作、短編ベストを貼っておきます。

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【マイケル・スノウ特集】『WVLNT』もしもマイケル・スノウが『波長』のファスト映画を撮ったら?

In 1967, Michael Snow presented an artistic short film called “Wavelength”, revolving around a practically static shot of a room where the sound of waves and Beatles come crashing in order to create a full other art image. Snow decided to excise some of its minutes and turn into a more comprehensive view of his art project several years later, which could be considered as a director’s cut. This is “Wavelength For Those Who Don’t Have The Time”.
訳:1967年、マイケル・スノーは「波長」というアーティスティックなショートフィルムを発表した。この作品は、波の音とビートルズの音がぶつかり合う部屋の実質的に静止したショットを中心に、完全な別のアートイメージを作り出すことを目的としている。スノー氏は、数年後にこの作品の一部を切り出し、ディレクターズカットともいえる、自身のアートプロジェクトをより包括的に表現した作品に仕上げることにした。これが「時間のない人のための波長」である。

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サンクスシアター映画総括

2020年、新型コロナウイルス蔓延により困窮するミニシアターを支援するクラウドファンディングMini-Thaeter AIDが発足した。総額3億3,102万5,487円(コレクター数2万9,926人)集まるクラウドファンディング史上最高レベルの盛り上がりをみせました。映画館に育てられたようなものである私も支援しました。本クラウドファンディングのリターンとして、サンクスシアターと呼ばれるインディーズ日本映画が観られる特設VODの観賞権がある。私は80本の権利があったのでこの1年間、いろんなインディーズ映画と出会いました。結構、サボっていたこともあり、全ての権利を行使することはできませんが星評を作ったので総評と共に公開しようと思います。

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【 #サンクスシアター 20】『花子』私が勝手に”作品”と呼んでいるだけ

サンクスシアター追い込みでラインナップを見ていたのですが、なんと佐藤真監督作品があることに今更ながら気づいた。佐藤真監督といえば、新潟水俣病を描いた『阿賀に生きる』や牛腸茂雄を追った『SELF AND OTHERS』で知られるが、いまだに自分の中で言語化できていない。両作品とも、他のドキュメンタリー感覚とは一線を画する。凄い監督なのは分かるのだが、何がどう凄いのかが言語化できない。さて、食べ物を並べてアート作品を作る障がい者を撮った『花子』を観たのですが、言語化できそうだったので感想を書いていこうと思います。