おいしいコーヒーの真実(2006)
Black Gold(2006)
監督:マーク・フランシス,
ニック・フランシス
評価:75点
フードドキュメンタリー、それは大量生産される食料をただただ消費している消費者どもに雷を落とすジャンルだ。それこそ、ゆとり世代の方は中高時代に「いのちの食べ方」や「スーパー・サイズ・ミー」などを魅せられ、あまりの惨さに衝撃を受けたことでしょう。今回、ブンブンが観たフードドキュメンタリー「おいしいコーヒーの真実」は、スタバリアンが店に行くのを躊躇するかなと思うほど悲惨なエチオピア事情が綴られていた…
「おいしいコーヒーの真実」概要
2005年に作られたイギリスのテレビドキュメンタリーのリメイク。私たちが普段飲んでいる、スタバやネスレのコーヒーはどこから来るのだろうか?先進国のコーヒー事情とエチオピアのコーヒー事情を対比させながら「真実」をあぶり出す…コーヒーは経済を動かす
ドキュメンタリー映画はその時代のある局面を映し出す存在だ。なので、今から十何年も前のコーヒー事情を観たところで意味ないのではと思いながら観た。しかしながら、そこにはブンブンの知らない世界が沢山広がっており、ドンドン惹き込まれた。
今やどんな発展途上国でも、「金」という媒体を通して売買が行われる。「金」が経済を動かしている。なので、胡椒や米が使われていた経済システムは歴史の教科書で読む程度だった。しかしながら、本作を観ていくと、コーヒーの価格が金融市場の指標となっていることに驚かされる。確かに、金融取引の現場ではコーヒー豆の現物は出てこない。すべてはスクリーンに表示される赤や緑、黒で書かれた数字が現物の代わりをやっている。ただ、仮想世界において古代のようにコーヒーの価値が取引対象となっているのには目から鱗であった。
エチオピアという名の地獄
エチオピア、世界最古の独立国でありながら現在世界最貧国としてよくユニセフ関連の記事でよく目にする国だ。そんなエチオピアの様子がここで描かれている。首都アディスアベバの様子からして、日本からかけ離れている。そして農村部へ行くと、50年前の世界かと思う世界が広がっていた。いくら2000年代にしても、タイプライターみたいな機械以外何もなく、ほとんど人力、数の暴力で押し通している農業事情の不気味さにノックアウトされた。
そして、農民の多くは外の世界を知らない。貧困故にまともな教育も受けていない。受けたとしても勉強する環境とは思えない劣悪な学び舎で学を積む。搾取されていることに薄々気づいている、コーヒーか麻薬でしか稼げない現状から脱出したくても出来ないそういう地獄から聞こえる魂の叫びに心が痛くなる。
たった1時間ぐらいのドキュメンタリーなのに圧倒されっぱなしのブンブンでした。しばらくコーヒーはいいっかな…














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