大丈夫と約束して(2024)
原題:Utekác
英題:Promise, I’ll Be Fine
監督:カタリナ・グラマトヴァ
出演:ミハエル・ザチェンスキー、ヤナ・オルホヴァー、エヴァ・モレスetc
評価:0点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
第37回東京国際映画祭コンペティション作品。今年のコンペティション作品はどうも打率が低く、ピンと来ない映画だらけで頭を抱えている。その中で観た『大丈夫と約束して』は本祭最凶の虚無を発揮する作品であった。
『大丈夫と約束して』あらすじ
スロバキアの田舎の村にある祖母の家で夏休みを過ごしている15歳のエニョは、仕事のために離ればなれになっている母親と一緒に暮らしたいと望みつつ、友人たちとバイクで山野を走り、田舎での生活を楽しんでいる。そんなエニョは、村の人々から自分が知らなかった母親の一面を知らされる。母親が、自分が思っていたような高潔な人物でなかったと知り、エニョの心は揺れ動く…。スロバキアのバンスカー・ビストリツァ県の山村ウテチカで撮影されたカタリナ・グラマトヴァの長編デビュー作。本作の前に同じ村で短編ドキュメンタリー映画“A Good Mind Grows in Thorny Places”(24)を撮影したグラマトヴァは、この村の人間関係を徹底的に観察することにより、本作の設定を作り出したという。
※第37回東京国際映画祭より引用
約束できません、この映画が「大丈夫」だとは
退屈な田舎町でヤンキーたちがバイクで走り回ったりマクドナルドで下品にふざけたりする中、主人公は母の面影を追い求め幻滅するといった内容。雰囲気的に『Tilva Roš』に近いのだが、閉塞感ものにありがちな仄暗いトーンで徹頭徹尾走り抜けていくだけとなっており、観客が主人公同様「虚無の刻」を擬似体験する仕様となっている。
自分が映画に求めるものは、分かりきった閉塞感をユニークな角度から捉えることで社会を掘り下げる様であり、分かりきったことをただやるだけの映画に価値を見出すことができなかった。
一番、大丈夫じゃない映画だろう。