『Love』ノルウェー映画が今熱い!

Love(2024)

監督:ダーグ・ヨハン・ハウゲルード
出演:Tayo Cittadella Jacobsen、アンドレア・ブライン・フーヴィグ、Lars Jacob Holm、トーマス・グルスタッド、Marte Engebrigtsen etc

評価:60点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

先日行われた第81回ヴェネツィア国際映画祭にて批評家の評判がやたらと良いノルウェー映画があった。『Love』である。司書であり小説家のダーグ・ヨハン・ハウゲルードが「SEX,LOVE,DREAM」三部作の一本として発表した作品なのだが、いつも三大映画祭で観た作品に大抵星1をつけている海原雄山のような人も唸らせる傑作らしい。ここ数年、ノルウェーの心理劇がやたらと強い。実際に観てみた。

『Love』あらすじ

Marianne, a doctor, and Tor, a nurse, avoid relationships. After meeting on a ferry where Tor seeks casual encounters, Marianne explores the possibility of spontaneous intimacy, questioning societal norms.
訳:医師のマリアンヌと看護師のトールは恋愛を避けている。トールが気軽な出会いを求めるフェリーで出会ったマリアンヌは、社会規範を疑いながら、自然発生的な親密さの可能性を探る。

IMDbより引用

ノルウェー映画が今熱い!

本作は、泌尿科医を中心に肉体、精神、社会の観点から現代の恋愛観を紐解く内容となっており、ひたすら哲学的な会話を繰り広げる。パートナーを必要としない者、男性関係を望んでいる友人との関係から、自由恋愛が謳われている現代においても社会のコードが多様な人間関係を阻害していると物語る。本作では、ショットを決めていく場面に重要なものを隠しており、例えば、オスロの歴史的建物に彫り込まれた肉体を通じて、人類の自由になれない社会コードが示唆される仕組みとなっている。正直、かなり込み入った恋愛観の物語かつ不得意ジャンルなのであまり語れるものはないのだが、『怪物』や『ぼくのお日さま』のようにジェンダーの扱いで批判される日本映画が散見される中、本作は重要な一本といえる。つまり、日本のクリエイターにとってジェンダー描写に学ぶところが多い作品なのである。