ガール・オン・ザ・トレイン(2016)
The Girl on the Train(2016)
監督:テイト・テイラー
出演:エミリー・ブラント、
レベッカ・ファーガソンetc
評価:70点
「ガール・オン・ザ・トレイン」と聞いて、
「北北西に進路を取れ」のラストかなと
思ったのはブンブンだけであろうか?
とにかく、卑猥なパワーワードに
惹かれて観ることにしたブンブン。
そこに映ったガールはウーマンとしか
良いようのない熟女だった…
(エミリー・ブラントは悪くない!)
「ガール・オン・ザ・トレイン」あらすじ
ポーラ・ホーキンズの同名小説映画化。離婚し、精神が不安定なレイチェルは、
電車の窓から見える理想の夫婦
を見て欲望を満たしていた。
しかし、ある日「理想の夫婦」の
妻が不倫しているのを目撃する。
しばらく経ち、その妻が死体となって
発見。レイチェルに容疑が掛けられる…
ヒッチコック的ミステリー
やはり、実際に映画を観ていると、
「裏窓」や「レベッカ」などといった
ヒッチコック映画の面影が見え隠れ
する作品でした。
アルコール中毒で、離婚のショックから
精神分裂まで起こしている女レイチェルの
回想と妄想が入り乱れ、
最初1時間は何が起こっているのか
分かりにくいのだが、
よく観察していると、
これは「信頼できない語り手」ものだと
言うことが分かってくる。
「信頼できない語り手」というのは、
「ユージュアル・サスペクツ」のように
主人公の語りが全て真実だと
思って観ていると、最後に
主人公の嘘が露見し観客を驚かせる
手法だ。
主人公レイチェルは、
記憶が曖昧で他人の言動に左右されて
新しい記憶が生成される。
警察に「あなたが女を殺したんじゃない?」
と言われると、殺したかもしれない
記憶が蘇ってくる。
そう、本作は時系列や虚実入り乱れた
レイチェルの脳内からヒントを見つけ出し
犯人を推測するのを楽しむ作品なのだ。
レイチェルと元夫、
理想の夫婦と不倫相手、
少々複雑に入り組んだ人物関係図が
後半1時間で飲み込めてから
怒濤のように解決されていく謎は
清々しいもの。
そして、物語前半部分では
あまりにレイチェルがクズ過ぎて
ムカツイテくるのだが、
後半には同情で泣けてくる
展開に監督の技巧を感じ取った。
エミリー・ブラントの演技が上手い
そして本作のMVPは間違いなく、
レイチェルを演じた
エミリー・ブラントであろう。
冒頭、電車に乗るエミリー・ブラント
の出すオーラ一つで、
メンヘラ感がバリバリ滲み出ている。
そして、前半1時間では
とにかく正気の沙汰ではない
狂いっぷりを魅せるのが、
段々と、徐々に正気を取り戻していく
様の演技コントロール技術は
誰が観ても拍手喝采ものであろう。
これは原作を読みたくなる作品でした。
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