フィクティシャス・ポイント(2024)
FICTITIOUS POINT
監督:服部正和
出演:両羽ももか、五十嵐諒、志生、篠原功、坂城日日、佐倉瑠衣etc
評価:70点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
先日、初号試写で服部正和監督の『フィクティシャス・ポイント』を観た。服部正和といえば、『FRONTIER』でクリストファー・ノーランを彷彿とさせる壮大なSFを作っており期待している監督である。そんな監督の新作ということでワクワクしながら会場に向かった。
『フィクティシャス・ポイント』あらすじ
誰かが主人公になる。
目眩く迷宮へとあなたを誘う空想連続活劇!「ひとたび筆を走らせれば、誰かの人生が始まる」
若き作家・漣聖司が姿を消した。
久坂部碧は、彼と架空犯罪調査局を巡る連続殺人事件に巻き込まれる。
幾多の困難を切り抜けながら、やがて碧も自身の残酷な運命と向き合っていく。人智を超えた旅路の先に何が待ち受けているのか。
鍵を握るのは、謎の言葉——フィクティシャス・ポイント。
新鋭・服部正和の本格SF
暗闇の中、男が逃げる。ニコラス・レイ『危険な場所で』を彷彿とさせるU時カーブでトンネルに吸い込まれ、やがて淵に追い詰められる。男に説得されるものの、彼から特殊な器具を奪って橋から落ちる。映画はこの映画の世界観を語り始める。筆を走らせ、他者の人生をコントロールする者が連続殺人事件に巻き込まれているとのこと。『インセプション』のように多層構図の迷宮を彷徨いながら世界の謎に迫っていく。映画はある種、創作論的物語となっており、器具やナイフ、やかんといったモチーフが変わりゆく世界を繋ぎ止めていく。しかし、人生をコントロールしようとしても完璧に制御できず次々と問題が発生していき、修羅場の宙吊り状態が持続する。日本映画でここまで時間や空間にこだわった監督が最近いただろうか?低予算ながらもクリストファー・ノーランを意識したダイナミックな空間の使い方をしており、たとえば、狭い空間でのアクションは奥行き方向を活用し立体的に魅せている。そんな服部監督が後々にビッグバジェットでSF映画を撮ったらどうなるのだろうか?世界と戦えるレベルのSF長編になりそうで今からワクワクが止まらないのだ。公開日は未定だが、是非チェックしてほしい作品である。