The Visitor(2024)
監督:ブルース・ラ・ブルース
出演:Bishop Black、Macklin Kowal、Amy Kingsmill、Kurtis Lincoln、Ray Filar etc
評価:50点
ジョン・ウォーターズが絶賛した『Saint-Narcisse』のブルース・ラ・ブルース新作はピエル・パオロ・パゾリーニの名作にして家侵入ものの代表作『テオレマ』をリメイクした作品である。とはいってもポルノグラフィックな作品を得意とするブルース・ラ・ブルースの手にかかるとギャスパー・ノエもびっくりなえげつない内容となっている。今回は実際に観たレポートを書いていく。
『The Visitor(2024)』あらすじ
A refugee is among multiple identical men appearing around London. Masked as a homeless man, he visits the home of an upper class family and befriended by their maid. He intimately interacts with each catalyzing their spiritual awakenings.
訳:ロンドン中に出没する複数の同一人物の中に難民がいる。ホームレスの仮面をかぶった彼は、上流階級の家庭を訪れ、メイドと親しくなる。彼はそれぞれの家族と親しく交流し、彼らの精神的覚醒を促す。
トランクから生まれた黒人はうんこを振る舞う
海岸でホームレスがトランクを拾う。恐る恐る開けると、中から素っ裸の黒人が現れ、自らの肉体を鼓舞しながら迫りくる。映画は4分割のスプリットスクリーンで、もごもご動くトランクを捉え、今回のターゲットであるブルジョワジーの家にフォーカスが当たる。
本編が始まると、黒人はブルジョワジーの家のキッチンで放尿を始める。そして、お皿の上にうんこをし、住民たちに振る舞う。住民たちは、鼻を押さえながら下品に嗜むと、映画はサイケデリックな色彩の中、まるでギャスパー・ノエ映画のように文字テロップを挟み、強烈なセックスを始めるのである。そして、登場人物は『テオレマ』同様、それぞれに異常が発生し始める。
映像表現としては4分割カラースプリットスクリーンの演出や文字アートがカッコよく感じるも、セックスシーンが非常にくどく、胃もたれする内容である。ただ、ジョン・ウォーターズは今年のベストテンに入れる可能性が高い作品のように感じた。日本公開は…..難しいんじゃないかな?