『スポンティニアス・コンバッション/人体自然発火』景気よく発火する人体

スポンティニアス・コンバッション/人体自然発火(1989)
SPONTANEOUS COMBUSTION

監督:トビー・フーパー
出演:ブラッド・ドゥーリフ、シンシア・ベイン、ジョン・サイファー、メリンダ・ディロンetc

評価:80点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

黒沢清のお気に入り作品に挙がっていたトビー・フーパー『スポンティニアス・コンバッション/人体自然発火』を観た。これが景気よく人体が発火する作品であった。

『スポンティニアス・コンバッション/人体自然発火』あらすじ

1955年、ネヴァダ砂漠で行なわれた水爆実験において抗放射線ワクチンを投与され実験台となったジョーンズ夫妻は無事男児を出産した。しかしその手には無気味な丸い腫瘍が…。数日後、夫妻は突然体から火を吹き出し焼死した。実験に参加した科学者チームはそれをワクチンの異常増殖による(SHC)=人体自然発火であると判断したが、なぜかその真実は闇に葬られた。そして34年後、高校教師になっているジョーンズ夫婦の遺児、サム・クレイマー(ブラッド・ダリフ)はある日自分の指先から火が吹き出したのに驚き、ラジオの超心理学者の番組でSHCのことを聞いて電話をかけるが、今度はその電話線を伝わって局の職員が焼死してしまった。

映画.comより引用

景気よく発火する人体

突然、人体が発火するようになった世界における苦悩が描かれる。発火するタイミングは不明で、病室で男女が親密な関係になるかと思いきやいきなり燃え始める。主人公の男もまた、突然発火するようになり、恋人を困らせる。燃えるからには水に腕を突っ込めば収まるかと思いきや、余計に悪化する。腕にぽっかり穴が開き、そこから火が吹くのだ。

意図せず加害者になってしまう苦悩が痛みを伴って描かれるのが興味深い。たとえば、警察に話しかけられ、近づかないでくれと振舞うのだが、彼に触れてしまい炎上する。友人である警備員に発砲されてボロボロになりながら発狂していくのは切ないものがある。

それにしても、ここまで景気よく燃える映画ってあまり見ないなと感じた。