「ジェラシー」陰鬱だけれども綺麗なフィリップ・ガレル流恋愛劇

ジェラシー(2013)
LA JALOUSIE(2013)

監督:フィリップ・ガレル
出演:ルイ・ガレル、
アナ・ムグラリス、
レベッカ・コンヴナンetc

評価:60点

ここ数年、ようやくフランス映画が楽しめるお年頃になったブンブン。そこで、今までは避けていたフィリップ・ガレルの作品を観ようと、
Netflixから「ジェラシー」という作品を選んでみました。本作は、フィリップ・ガレルの息子であるルイ・ガレルを起用して、愛の揺らぎを描いた作品。果たして…

「ジェラシー」あらすじ

俳優のルイは妻と娘と別れ、女優クローディアと暮らし始める。しかし、クローディアも段々ルイに嫌気が差し、ついんは別の男の元へと去ってしまう…

「パリ、恋人たちの影」に通ずるものがある

ヌーヴェルヴァーグの血を継ぐ監督群の中でも、ジャン・ユスターシュとフィリップ・ガレルは作品の陰鬱さで有名です。本作も例に漏れず、凄い暗い話です。ただし、面白いことに彼の「パリ、恋人たちの影

」同様非常に物語としてはキレイに収まっていたりするので驚きです。

冒頭から、男にとってはキツ過ぎる会話から始まる。妻から「稼いでいるの?」と詰問され、「舞台でちょっと…」と口を濁す。当然ながら生活基盤が安定しない、しかも努力と結果を妻に見せられていない男は、家を去ることとなる。「女優なら大丈夫だろう」と、クローディアと暮らし始めるのだが、貧相な男故、暮らしがダサくなってしまい、クローディアに愛想を尽かれてしまう。

行き場のない男は最終的に救いを求めて妻のところに戻ってくる。やはり、家族は家族。酷い男だが、許したくはないが、許しの心を少し与える。リアルで、人生の蹉跌を長期間にわたって引きずったことのある男なら辛くてたまらない作品なのだが、非常に綺麗な救いの展開があるため、最後まで観ることができる。

人間の恋の揺らぎを、無駄なくキレイに収めていくフィリップ・ガレルの技量に圧倒された作品でした。

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