『身をかわして』闇のエル・ファニング?

身をかわして(2003)
L’Esquive(2003)

監督:アブデラティフ・ケシシュ
出演:サラ・フォレスティエ、
オスマン・エルカラスetc

評価:80点

先日、MUBIに『アデル、ブルーは熱い色』『クスクス粒の秘密

』のアブデラティフ・ケシシュ初期作品である『身をかわして』が配信されていた。評判がやたらと高かったので、観てみた。

『身をかわして』あらすじ

パリ郊外の低所得者が住む地域。そこのとある学校の演劇コースでは発表会に向けて準備が進められていた。生徒は、放課後も公園で演技練習をしている。その中で巻き起こる人間関係の変化をカメラは捉えた…

闇のエル・ファニング?

L’esquive(誤魔化し、忌避)に対し『身をかわして』という邦題をつける凄まじさが特徴的なアブデラティフ・ケシシュ初期作をMUBIで観た。

これが、大傑作だった。

フランス郊外の低所得者向け住宅街に住む子ども達が学校の演劇コースで次回公演に向け頑張る。その中で生まれる恋、友情を描いた作品。

まるで、日本のスポ根漫画ものか!と思う程熱く、そして《親》の存在が希薄だ。大根演技でナルシストなのだが、外見がエル・ファニングの少女に男子が惚れ、彼も演劇に挑戦する。しかし、ストイック過ぎるレッスン、そして自主練で巻き起こる激しい議論、てやんでい口調が激しいエル・ファニングさんに心が折れていく。

この台詞台詞台詞のパワープレイ。これが説明的ではなく、思春期ならではの葛藤、国籍・貧困によるコンプレックスの爆発として上手く機能している。漫画原作ものを扱う映画関係者は是非観てほしい。

それにしても、本作を観ると、フランスは貧しき者にも文化を楽しむ、文化と本気で接する場所が提供されていて素晴らしいなと思った。

日本の場合は、どうも芸術を軽視している気がする。貧しき者に芸術と接する機会が設けられていない気がするだけに、フランスの懐の深さには感銘を受けた。

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