極道系Vチューバー達磨(2022)
監督:松本大樹
出演:海道力也、芳賀沙侑美、さんぺさんぺい、鈴木まゆ、タカ海馬etc
評価:60点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
VTuber文化もキズナアイが「バーチャルYouTuber」と名乗ってから随分と経った。映画業界も少しずつ、映画の吹き替えや番宣に侵食し始めているのだが、それでもVTuber自体を扱った映画はほとんどない。そんな中、意外なところからVTuber映画が誕生していた。それはヤクザ映画である。ヤクザの親分がVTuberに挑戦する映画『極道系Vチューバー達磨』がPrime Videoに来ていたので観た。映画系VTuberの同時視聴企画にうってつけの作品であった。
『極道系Vチューバー達磨』あらすじ
かつて組の事情からやむなく殺人を犯し、刑務所に服役していた黒澤組幹部・三船達磨。15年の刑期をようやく務めあげて娑婆に出るも、黒澤組は亡くなった先代の妻である京舞子と若頭達が全てを取り仕切り、達磨や彼を慕う古参達の居場所は完全になくなっていた。
達磨は、京舞子から組が借金の肩代わりに預かったとある映像制作会社のスタジオを新たな“シマ”として任される。達磨が、新人組員・仲田さんぺいと共にスタジオへ向かうと、そこではスタジオの社長の娘・野上照子がVtuberとして配信を行なっていた。
ある出来事をきっかけに、達磨もそのスタジオでVtuberとして配信番組を始める事になってしまう。一方でそんな達磨のもとに、とある目的で彼を探し続けていた梶原メイの足が忍び寄る。果たして達磨の運命や如何に!?
美少女アバターからゴツい声が!!
正直言って、映画としてはあまり良い出来ではない。アクションシーンは誤魔化しのショットが多い、達磨がゲーム配信している最中に抗争が勃発するのだが全くもって絡みがない。VTuber描写は表層的で、そもそもアバターを映す場面を最低限に留めている。だが、なんだろうか?観ていて妙に面白いのだ。美少女アバターを使った配信の場にヒロインが現れず、緊急配信することとなる。下っ端ヤクザは泡を吹いて倒れる中、圧倒的貫禄で親分が配信を始め、身内の店を紹介する展開は、配信ができるか否かの宙吊りのサスペンスに笑いが乗っており面白い。炎上してもめげずに新しい技術に挑戦し、いつしか家族が形成される展開もほっこりしていて面白いのだ。それだけに、抗争や過去のしがらみといった描写に転がすのではなく純粋なコメディとして振り切って、懲役太郎みたいなポジションを獲得する物語にすればよかったのにと思った。
P.S.チャンネル登録者1000人以下でもスパチャってできるんだっけ?