『オー!ラッキーマン』コーヒーのセールスマンから役者になる道はイバラしかない

オー!ラッキーマン(1973)
O LUCKY MAN!

監督:リンゼイ・アンダーソン
出演:マルコム・マクダウェル、レイチェル・ロバーツ、ラルフ・リチャードソン、ヘレン・ミレン、モナ・ウォッシュボーンetc

評価:80点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

町山智浩のVIDEO SHOP UFOで気になっていた『オー!ラッキーマン』を観た。本作はコーヒーのセールスマンから『時計じかけのオレンジ』の主人公になったマルコム・マクダウェルの半生を荒唐無稽に描いた作品とのこと。さりげなく3時間近くあるので今まで手を出せていなかったのだが、観てみた。これが結構面白かった。

『オー!ラッキーマン』あらすじ

「時計じかけのオレンジ」で世界的に注目を浴びたマルコム・マクダウェル主演の異色ヒューマンドラマ。「ifもしも……」に続いてマクダウェルとリンゼイ・アンダーソン監督のコンビが放つ“ミック・トラビス3部作”の第2作。野心家の青年ミックは、幾多の困難を乗り越えついに大富豪の右腕にまでのぼりつめるが、ある事件をきっかけにどん底へと叩き落されてしまう。それでも彼はあきらめず、再び這い上がろうと奮闘するが……。

映画.comより引用

コーヒーのセールスマンから役者になる道はイバラしかない

笑顔が取り柄のやり手セールスマンは車を走らせ営業活動に出る。その道中はトラブル続きだ。煽り運転の男が目の前で事故る。警察に事情を説明しようとするが、「みなかったことにしてくれ」と言われてしまう。道に迷い、フェンスの前で停車していると軍に包囲されて拷問を受ける。だが突然、基地が襲撃されて戦場のようになってしまう。彼は次々と現れる修羅場を乗り越えて、やがて役者へとのし上がっていく。コントのように短いエピソードを数珠繋ぎにしていく。その合間にThe Whoのようなブリティッシュロックの旋律が盛り上げていく。正直2時間40分は長いのだが、あまりにかけ離れた異業種転職を果たすイバラ道を誇張して描くにはこれぐらいのオーバーさが必要だったんだなと感じた。

※MUBIより画像引用