ぼくの好きな先生(2002)
ETRE ET AVOIR
監督:ニコラ・フィリベール
評価:50点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
早稲田松竹のニコラ・フィリベール特集に行ってきた。早稲田大学の学生さんと思しきカップルがデートで観に来ていてオシャレだなと思いつつ『ぼくの好きな先生』を観たのであった。
『ぼくの好きな先生』概要
フランス中部、オーベルニュ地方にある小学校は、児童の数が少ないため、ひとつの教室で3歳から11歳までの13人のクラスメイトがいっしょに授業を受けている。この学校の教師ロペスは定年のため、あと半年で35年間の教師生活を終えなければならないが、生徒たちはその事実を受け入れられない。「音のない世界で」でも絶賛をあびたニコラ・フィリベール監督の最新作。本国フランスで200万人の観客を動員したヒット・ドキュメンタリー。
本当に先生のこと好きかい?
昨年、東京国際映画祭で上映された『小学校~それは小さな社会~』もそうだが、学校ドキュメンタリーを観ると、その年でその指導は厳しすぎるのではと思うことがたたある。本作は邦題が『ぼくの好きな先生』とついているが、観ているとどうも「好き」といわされているように思ってしまう。定年間際のロペス先生に着目したドキュメンタリーなのだが、とにかく淡々とドライに生徒と向き合っていく。絵が完成できない生徒に対して、外に遊びに行かせず「約束だろ、絵を終わらせるんだろ」と圧をかける。また選択肢が多いように見せかけて一択しかなく、それを自分から選ばせていくパワハラ上司がよく使う手法も垣間見える。なので、どうもこの生徒たちは先生のこと特に気にしていないだろうし、好きだとは思っていないんじゃないかなと感じてしまうのである。ニコラ・フィリベール監督は『音のない世界で』における子ども描写もそうだが、大人の患者には優しい眼差しを向けるが、子どもには厳しい気がした。これは面白い発見であった。
※映画.comより画像引用