『生きてこそ』ウルグアイ空軍機571便遭難事故の映画化

生きてこそ(1993)
ALIVE

監督:フランク・マーシャル
出演:イーサン・ホーク、ヴィンセント・スパーノ、ジョシュ・ハミルトンetc

評価:70点


おはようございます、チェ・ブンブンです。

Netflix映画『雪山の絆』を観たついでにウルグアイ空軍機571便遭難事故を扱った『生きてこそ』を観た。油断していたのだが、こちらの作品も災害描写が異様に生々しく興味深い作品となっていた。

『生きてこそ』あらすじ

1972年にアンデス山脈で起きた飛行機事故の実話を基に、生存者たちの壮絶な体験を描いた人間ドラマ。ピアズ=ポール・リードのノンフィクション「生存者 アンデス山中の70日」を原作に、「アラクノフォビア」のフランク・マーシャルが監督を務め、「月の輝く夜に」のジョン・パトリック・シャンレイが脚本を担当。実際の生存者をアドバイザーに招き、生還までの72日間をリアルに再現した。1972年10月。南米ウルグアイの学生ラグビーチームの選手とその家族・友人ら45人を乗せたチリ行きの旅客機が、アンデス山脈に衝突し墜落した。27人の生存者たちは、通信不能で捜索隊を待つしかない状況だった。極寒の中、食料はすぐに底をつくが、救助隊は一向に現れない。やがて彼らは、捜索が打ち切られたことをラジオで知る。出演は「いまを生きる」のイーサン・ホーク、「グッドモーニング・バビロン!」のビンセント・スパーノ。ジョン・マルコビッチがナレーションを務めた。

映画.comより引用

ウルグアイ空軍機571便遭難事故の映画化

ウルグアイの学生ラグビーチームが空軍機に乗り遠征へ出かける。機内はタバコを蒸し、ギターを弾き鳴らし、五月蝿くする学生で支配され、マダムやおっさんは呆れた顔をしている。シートベルト着用を支持しても、勝手に機内アナウンスをし始めるなど無法地帯となっている中、山脈に墜落する。生存者のひとりであるナンド・パラードが本作の監修をしているだけに、この墜落描写が生々しい。後方がバカっと開き、数名が吹き飛ばされ、座席が前方へ傾れ込む中で、グシャッと肉体がひしゃげる。『雪山の絆』に劣らないパワフルな破壊描写が地獄への扉を開くのである。

一方で、『雪山の絆』と比べると映画的としての人間描写パートが多くをしめており、クリシェが推進力となっている。狼狽、喧嘩が勃発するも、吹雪といった新たな危機を前に団結する。過酷な環境の中で刹那な喜びが訪れる瞬間があり、そこを感傷的な音楽でもって盛り上げる。遠征パートではサバイバルアクションとしての側面を覗かせ、崖から落下しそうになる宙吊り状態を数度に渡り展開していくのだ。

そのため、『雪山の絆』を鑑賞した後に『生きてこそ』を観ると、『雪山の絆』がかなり前衛的な作りの作品であることに気づき驚くのである。個人的に連続して観た甲斐があった。

※映画.comより画像引用