The Kingdom Exodus(2022)
監督:ラース・フォン・トリアー
出演:Bodil Jørgensen,Mikael Persbrandt,Lars Mikkelsen,ウィレム・デフォー,ウド・キア etc
もくじ
評価(EPISODE 10 THE CONGRESS DANCES):65点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
ラース・フォン・トリアー最新作にしてまさかまさかのドラマシリーズ『キングダム』新シーズン第2話(10話目)を観ました。
『The Kingdom Exodus』EPISODE 10 THE CONGRESS DANCESあらすじ
The demonic Grand Duc haunts the Kingdom as it prepares for the annual Pain Management conference. Helmer Jr. is faced with a set of new and bigger problems as he seeks comfort from a secret group in the basement. Karen has a vision that helps her search for the mysterious voice calling out to her.
訳:ペイン・マネージメント・カンファレンスを控えたキングダムに、悪魔のようなグランド・デュックが出没する。ヘルマーJr.は、地下にある秘密のグループに慰めを求めながら、新たな大きな問題に直面する。カレンはあるビジョンを見て、自分を呼ぶ謎の声を探す。
壁から肉片が!
第1話は登場人物、世界観整理に時間が費やされていたので、前シーズンの二番煎じに見えた。しかし、ここに来てエンジンがかかる。キングダムにウィレム・デフォー演じるメフィストフェレスと思しき存在「グランド・デュック」が降臨するのだ。病室で、患者に襲いかかり、悲鳴を上げられると、フクロウに変身して逃亡する。この男はキングダムを支配しようとしているのだろうか?一方、カレン(Bodil Jørgensen)は脳内ヴィジョンから語り掛けられる声に導かれるように悪夢的世界へと没入していく。
今回の『キングダム』はラース・フォン・トリアー作品というよりかは、デヴィッド・リンチやデヴィッド・クローネンバーグ作品を彷彿とさせるイメージが非常に多い。がらんとした空間に石像が出現したり、異界のような部屋に人を彷徨わせたりする場面は『ツイン・ピークス』や『インランド・エンパイア』を彷彿とさせる。そして、悪夢の場面では壁に亀裂が入り、臓器の振動のような運動を始めるのだ。
ウディ・アレンの『Rifkin’s Festival』やリチャード・リンクレイター『アポロ10号 1/2: 宇宙時代のアドベンチャー』のように、最近映画監督が開き直ったかのように自分の好きな作品をそのまま盛り込む演出を見かけるが、本作も同様だろう。本作の場合、『第七の封印』における手を取り合って行進する場面の大規模なアレンジに力が入っていた。病院の入り口で、無数の人が手を取り合う。まるで黄泉へ誘うかのように群れをなして歩く場面の異様さに怖さを感じた。
※MUBIより画像引用